千里の鳥・万博の鳥(第123回)「ジョウビタキ」(2023年2月)
今月の鳥はジョウビタキの愛らしい姿、木の上にいて地上にいる小動物などの餌を探し、見つかると飛び降りて採餌、また木に戻るという行動を繰り返す。今月の写真ジョウビタキの雄もアネモネの花の間に、昆虫を見つけたと思われる。ジョウビタキはあまり遠くへ飛ばないので、離れた所から見ていると視界から離れず、ジョウビタキの姿をずっと追い続けることができる。またジョウビタキは木の実・草の実も好きで、ナンキンハゼやヘクソカズラの実を食べる。私（平）は「皆さんの家の周辺にあるヘクソカズラの実は、ジョウビタキの冬の餌になっていますよ」と説明している。
先月のモズと同様、縄張りをもって生活しているが、縄張り意識が非常に強く、車のサイドミラーに映った自分の姿を見て侵入者と思い攻撃することもある。
ジョウビタキはくちばしの先から尾までの体長が14㎝、ほぼスズメと同じ大きさの小鳥である。チベットから中国東北部、沿海州、バイカル湖周辺で繁殖し、非繁殖期は日本や中国南部などへ渡り越冬する。
日本では主に冬鳥として全国に渡来するが、近年、長野県・岐阜県や北海道での繁殖が確認されつつあり、今後国内で繁殖地を拡大するかどうか興味がある。
ジョウビタキの名前の由来は、「ヒッヒッ」という地鳴きが火打石をたたく音に似ているとして「ヒタキ」、ジョウは「尉」と書いて老人のこと、ジョウビタキ雄の頭が老人の白髪頭に見立て、ジョウビタキと名がついたとのことである。（★１）
鳥の図鑑には種名とともに科名が書かれるが、この名称は最新版「日本鳥類目録（日本鳥学会）」に準拠している。現在発行中の図鑑は改訂第7版(2012年)」に準拠しているが、古い図鑑と科名（や種名）が変更されていることがあり、ジョウビタキは科名が違っている。
・真木広造・大西敏一著 日本の野鳥590(2000年)平凡社(鳥類目録改定6版準拠)
スズメ目ツグミ科ジョウビタキ
・真木広造・大西敏一・五百澤日丸著 日本の野鳥650（2012年）平凡社(鳥類目録改定7版準拠)
スズメ目ヒタキ科ジョウビタキ
日本鳥類目録改訂第6版（2000年）までは、鳥は形態を中心に目・科・属・種が決められていたが、第7版では分子系統的手法（遺伝子解析結果）が取り入れられた。この結果、ジョウビタキ・ツグミなどツグミ科の鳥はすべて、キビタキなどのヒタキ科に統合され、ツグミ科は無くなった。
現在日本鳥類目録改訂第8版が検討されているが、発刊時には分子系統的手法の最新結果が反映されると思われる。 さて、万博公園のジョウビタキ、万博探鳥会の記録を見ると右図のように、探鳥会を開始したころはあまり観察できなかったが、今では冬の間約5か月間、万博公園で越冬していることがわかる。（★２）
さて、1月下旬に「10年に一度の最強」と名付けられた寒波襲来があり、近畿北部や北陸の大雪で、餌がとりにくくなったためか、越冬していた冬鳥が南下しているらしく、万博公園ではツグミ・アトリを中心に冬鳥の個体数が増えている。
寒い冬こそバードウォッチング、帽子・マフラー・ポケットカイロ、更にコロナ・防寒対策兼用マスクの重装備で、探鳥会に参加しませんか。
①日本野鳥の会大阪支部主催
・名称 万博公園２月定例探鳥会
・日時 ２月11日（土） 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15：00頃日本庭園内の予定
・持ち物 弁当、時節柄 防寒対策を十分に
・担当 平 軍二 他
・内容 ツグミ・シロハラ・アトリ・ジョウビタキなどの冬鳥や、カワセミなどとの出会いを楽しみに園内を一巡する。
・参加費 会員100円、非会員300円
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
HPからの申込が難しい方は平あて連絡
②吹田野鳥の会主催
・名称 安威川探鳥会
・日時 ２月19日（日）午前9時00分
・集合 阪急相川駅西口広場
・解散 14：00頃摂津市新幹線公園付近の予定
（大阪モノレール摂津市駅へ徒歩10分）
・持ち物 弁当、防寒対策を十分に
・担当 平 軍二 他
・内容 吹田市の南東側を流れる安威川に住む、カモ・カモメ、更にヨシ原にいるオオジュリンなどを楽しみに、安威川左岸堤防上を上流に向かって歩く。万博公園とは異なる鳥たちの生活様式を楽しみながら、JR東海「新幹線車両基地」の西側にある新幹線公園まで5㎞ほど歩く予定
・参加費 吹田会員無料、非会員200円
・参加希望 平（ひら）宛 メール or 電話で申込
上記①②に関する問い合わせは平（ヒラ）軍二へ
メール g-hira@nifty.com
携帯電話 090-6901-1425
★文献１ 国松俊英 「名前といわれ日本の野鳥図鑑」偕成社 1995年
★ 〃 ２ 平軍二「万博公園定例探鳥会記録」
**** 写真 ****
種名：ジョウビタキ
撮影日：２０２1年０２月１１日
場 所：万博公園
撮 影：有賀憲介