守ろうオオタカ 里山の自然

人里近くに暮らすオオタカを保護していくためには、里山の自然を守りながら、人間との共存策を講じて行くことが必要です。

2016年2月13日に開催されるオオタカの国内希少野生動植物種(種の保存法)からの指定解除に関する意見交換会に際して、大阪支部から環境大臣に対して意見書を提出しました。

オオタカの国内希少野生動植物種の指定解除に関する意見書(平成28年2月9日)

趣旨

  • 大阪府におけるオオタカは減少傾向にあり、関東地方での個体数の推定値をもって、国内希少野生動植物種から指定解除されるのは時期尚早と考えます。長期的に全国の状況を見て判断すべきで、現時点での指定解除には反対します。大阪府におけるオオタカの生息状況は、2000年、2001年の大阪府による生息調査(調査は当大阪支部が実施)では、府内で48つがいのオオタカの生息が確認されています。

  • しかし、その後大きな環境変化がない生息地からも姿を消すものが多く、現在府内のつがい数は2001年をピークとして4割程度の減少に至っています。府内では引き続き保護が必要な種との見解です。指定を解除することでオオタカの保護のための法的枠組みがなくなり、これまで多くの人々の努力で守られてきた里山環境及びオオタカ保護の取り組みそのものがなし崩し的になり、その結果、再開発の恐れやオオタカの生息が大きく後退することが懸念されます。これまで、オオタカが担ってきた里山自然環境保護のシンボルとしての役割を再認識いただくよう強く望みます。

要望事項

  1. 大阪での繁殖個体数は2000年に比べて確実に、減少している状況にある。 国内の地域によって個体数のバラツキも大きく、関東の調査結果をもとに指定解除とされることは問題である。現状をより科学的に把握したうえで判断すべきであるため、全国的な生息調査を実施されたい。
  2. 指定解除された場合であってもオオタカの里山生態系のアンブレラ種としての位置づけは変わらない。環境省の解除後の対応で示されている「猛禽類保護の進め方」を都道府県に改めて周知することで、環境影響評価などが従前同様に実施されるのかが疑問である。これを担保できるような新たな法的な枠組みを整備されるように要望する。

※ 本要望事項について、2月13日の大阪での意見交換会の場で、質疑時間を確保いただけるようご配慮をお願いします。

[本意見書に関する連絡先]
日本野鳥の会大阪支部 〒543-0011 大阪市天王寺区清水谷町6−16 NEXT21

 

意見書の原文

 

以 上

オオタカ保護

オオタカの国内希少野生動植物種(種の保存法)からの指定解除の検討に関する意見の募集について、 パブリックコメントを6月30日に支部長名で提出しました。

オオタカの指定解除の検討に関する意見(2013年6月)

[件名]オオタカの国内希少野生動植物種(種の保存法)からの指定解除の検討に関する意見

[宛先]環境省自然環境局野生生物課

[氏名]日本野鳥の会大阪支部 支部長 橋本 正弘

[郵便番号・住所] 大阪市天王寺区清水谷町6-16

[電話番号] 06-8788-0055 (火・金)または 橋本正弘 090-1025-6918(携帯)

[FAX番号] 06-6766-0055

[意見]

1 意見の要約

・大阪府におけるオオタカは減少傾向にあり、関東地方での状況をもって、国内希少野生動植物種から指定解除されるのは時期尚早と考える。長期的に全国の状況をみて、判断すべきで、現時点での指定解除には反対。

2 意見及び理由

・ 大阪府におけるオオタカの生息状況

2000年、2001年の大阪府による生息調査によると、府内で48つがいのオオタカの生息が確認されている(調査は本支部が実施)。しかし、その後大きな環境変化がない生息地からも姿を消すものが多く、現在府内でのつがい数は、2001年をピークとして4割程度の減少に至っている。 環境省のレッドリストでは、オオタカは準絶滅危惧種であるが、大阪府のレッドリストでは絶滅危惧U類。府内では引き続き保護が必要な種と考える。

・ 国内希少野生動植物種に指定されていたことによって保護された事例など

府内における大型の開発計画(泉州広域農道建設事業、水と緑の健康都市、安威川ダム建設事業など)において、オオタカの生息が確認された場所は、環境省の「猛禽類の保護の進め方」に基づき、調査や工事期間中の配慮、営巣林の保護などが実施され、オオタカとオオタカの生息する環境が開発から一定守られてきた。里山の生態系の頂点に立つオオタカを保護することが、結果として里山の生物多様性を保全することとなった。

・ 指定解除されることで懸念されること

指定解除となれば、オオタカ保護のための法的な枠組みがなくなり、これまで多くの方の努力で守られてきた環境およびオオタカ保護の取り組みそのものがなし崩し的に見直しとなる。その結果、再開発の恐れやオオタカの生息がおおきく後退することが懸念される。

・ その他 レッドリスト掲載種の国内希少野生動植物種への指定について

レッドリストで絶滅危惧U類に指定されている鳥類については、その保護を進めるための法的枠組みが必要であり、国内希少野生動植物種に指定すべきと考える。その中でも、開発問題で生息地が危機に直面しているチュウヒやサシバなどの希少な猛禽類の指定がとくに急がれる。

以 上