2023年10月定例探鳥会のご案内

千里の鳥・万博の鳥(第131回)「アオサギ」(2023年9月)

今月は9月探鳥会で観察したアオサギを紹介する。

アオサギは体長(嘴の先~尾の先)93㎝、翼開長(羽を開いた時の両翼の先の長さ)150~170㎝の大きな鳥。通常、同じ仲間の鳥であれば、体が大きい種ほど人から離れたところで生活する場合が多いが、サギの仲間は違っている。万博公園で観察できるサギの仲間4種の体長は、アオサギ(上記93㎝)、ダイサギ(90㎝)、コサギ(61㎝)、ゴイサギ(58㎝)であるが、万博公園で最もよく観察できるのは一番大きいアオサギである(★1)。

都市公園では鳥に餌を与えている所が多いが、餌を求めて人に近寄ってくるサギはアオサギが多いので、アオサギは人に慣れやすい性質があるのでないかと推定している。

アオサギは全国的にも繁殖地が拡大している。「1970年代は主に北海道や日本海側で繁殖するサギだったが,その後分布を拡大し,現在は全国どこでも繁殖する鳥となっている。この傾向はアオサギだけでなく,ダイサギなど大型の魚食性の鳥に共通している。大型の魚食性の鳥は,「1970年代に農薬や水質汚染で餌が少なくなり減少したが、そこから回復していることも拡大の一因と考えられる。」とのことである(★2)。

 万博公園でのアオサギ定住は、近隣で繁殖数が増えたため、餌の取りやすい公園内に住みついたためと思われる。

 アオサギの漢字名は蒼鷺(青鷺)、全身灰色を主にした鳥なのに何故青なの、と聞かれることがある。昔から日本人が認識した色は赤・白・青・黒の4色で、日本語の「青」には、青葉などグリーン系統、青雲などブルー系統のほか、灰色がかった青色なども「アオ」と呼ばれていた。現在でも交通信号の青信号、目に青葉、澄み切った青空など、青と表現されながらも違った色を表しており、アオサギは背中の「灰色がかった青色」から名づけられている。

さて、今年は夏が暑く長く、中秋入っても30度を超える日が続いている。しかし季節の変化が確実な鳥たちは秋の渡り最盛期、万博公園にもコサメビタキ・エゾビタキ・キビタキ・ムシクイ類などが通過している筈なので、探鳥会では渡り鳥との出会いを楽しみに園内を一巡したいと思っている。

①日本野鳥の会大阪支部主催
 ・名称 万博公園10月定例探鳥会
 ・日時 10月14日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・持ち物 弁当・水筒、マスク(自由)
・担当 平 軍二 他
・内容 秋の渡りの季節、どんな鳥に出会えるかを楽しみに園内を一巡
・参加費 会員100円、非会員300円
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
   HPからの申込が難しい方は平あて連絡OK 

②吹田野鳥の会主催
・名称 万博公園平日探鳥会
・日時 10月24日(火)午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 12:00頃自然文化園内の予定
・持ち物 水筒、弁当(自由)・マスク(自由)
・担当 渡辺明信 他
・内容 秋の渡りのヒタキとの出会いを楽しむ予定
・参加費 吹田会員無料、非会員200円
・参加希望  平(ひら)宛 メール or 電話で申込

上記①②に関する申込・問い合わせは平 へ
メール   g.0501.hi@gmail.com
電話    090-6901-1425

**** 写真 ****
  種名:アオサギ
  撮影日:2023年9月9日
  場 所:万博公園
  撮 影:橋本昌宗

文献★1 平軍二「万博公園探鳥会記録」
1985年~ 2016年
文献★2 鳥類繁殖分布調査会「全国鳥類繁殖調査 報告2016-2021年」2021年10月