千里の鳥・万博の鳥(第142回)「センダイムシクイ」(2024年9月)
8月の定例探鳥会は夏休みとしたが、リーダーのみでのモニタリングを8/24に実施し、秋の渡り鳥の走り(先発隊)としてセンダイムシクイを観察したので、紹介する。
ムシクイ科の鳥には、センダイムシクイ・エゾムシクイ・メボソムシクイ、日本産鳥類目録第7版で独立種となったオオムシクイなどがいるが、体長(嘴から尾の長さ)が12~13㎝と日本の鳥の中では小さい鳥のグループである。ムシクイ科の鳥は餌の昆虫類を探し木々の葉の中を動く姿が似ており、上面の色が黄緑色で葉の色に似ていることから、歌声の違うさえずりを聞ける春と違って、秋はわかりにくい。
8/24も木の葉の向こうを動いており、肉眼ではムシクイとしかわからなかったが、添付写真には木の葉の隙間からセンダイムシクイの特徴、灰白色の頭央線が写っていて確認できた。
センダイムシクイの万博探鳥会での観察頻度(=観察回数/探鳥会回数)は5~15%と低く変動も大きいが、実際にいても気づかないことがあるためと思われる。(★1)。
センダイムシクイの名前の由来として、①囀りを「チョチョビー」と聞きなしされ、「千代千代」の漢字が充てられ「せんだい」と読まれこと、②「ツル チヨ ギミ―」=「鶴千代君」と聞きなしされ、歌舞伎「伽藍先代萩」(めいぼくせんだいはぎ)の鶴千代君にちなんだ「仙台」と表示されることになった、との説がある。(★2)
エゾムシクイ・メボソムシクイなどは大阪府内では繁殖しておらず、旅鳥となっているが、センダイムシクイは大阪府をぐるり取り巻く北摂山地、生駒・金剛山地、泉南山地には繁殖しており(★3)、高槻市本山寺近くで繁殖しているのを見たことがある。
万博公園でキビタキに続いてコサメビタキの繁殖が確認されているので、今後センダイムシクイの繁殖を期待し、注視していきたい。
さて今年の夏は猛暑日(35℃)と豪雨の日が交互にある天気の変わりやすい日々が続いた。9月に入っても昼は猛暑日、夜は熱帯夜(25℃)があると予報されているが、鳥たちは体内時計で渡るので、暑さに左右されることなく渡りが始まっている。
9 月の探鳥会では、コサメビタキ・エゾビタキ、そしてムシクイ、更にはサシバ・ハチクマなどタカの渡りを楽しみに開催したい。
①日本野鳥の会大阪支部主催
・名称 万博公園9月定例探鳥会
・日時 9月14日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・持ち物 弁当、水筒
熱中症対策に水分補給を十分に
・担当 平 軍二 他
・内容 秋の渡りのコサメビタキ・センダイムシクイなどに出会うことを楽しみに、園内を一巡する。
・参加費 会員100円、非会員300円
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
HPからの申込が難しい方は平あて連絡
②吹田野鳥の会主催
・名称 高槻萩谷総合公園タカ渡り観察会
・日時 23年9月22日(日祝) 午前8時50分
・集合 JR摂津富田駅北口 バス乗り場①番
(9:05発萩谷行乗車、萩谷総合公園下車)
・解散 12:00頃萩谷総合公園内の予定
・持ち物 弁当(自由)
熱中症対策に水分補給を十分に
・担当 松田祐希江 他
・内容 タカ渡りのメッカ長野県白樺峠を飛び立ったサシバ・ハチクマは、2日後に大阪近郊上空を通過すると思われる。
・参加費 吹田会員無料、非会員200円
・参加希望 平(ひら)宛 メール or 電話で申込
上記①②に関する問い合わせは平(ヒラ)軍二 へ
メール g-hira@nifty.com
(文献)
★1万博定例探鳥会1985~2016観察記録(平)
★2インターネット情報
★3全国鳥類繁殖分布調査(2021)鳥類繁殖分布調査会
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種 名:センダイムシクイ
撮影日:2024年8月28日
場 所:万博公園
撮 影:橋本昌宗
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