2022年12月の探鳥会を開催します。

2022年12月10日(土)万博公園定例探鳥会を開催します。

千里の鳥・万博の鳥(第121回)「ハシビロガモ」(2022年12月)

 今月は万博公園としては非常に珍しくハシビロガモがいたことを有賀氏の写真で紹介する。万博探鳥会でのハシビロガモ観察は、1994年・2006年・2008年の3回のみ、有賀氏の観察記録(★1)をプラスしても1997年・2019年の2回と、これまで38年間に5回しか確認していない。いずれも冬鳥の越冬地を探しているとき休んでいて、たまたま観察されたと思われる。

 このように万博公園での観察は稀であるが、服部緑地・山田池公園・大阪城公園など、大きな池のある公園では、50~100羽と多数観察されている。大阪府が毎年行っているカモ調査結果の府内合計は、2021年度2931羽、2020年度2721羽で、マガモ・カルガモとほぼ同一レベルの生息数が記録されている。(★2)。

 ハシビロガモはユーラシア大陸・北米大陸の北部(寒帯~亜寒帯)に広く分布・繁殖し、冬にはアフリカ・アジア、北米南部・中米など南部(温帯~熱帯)で越冬する。日本では冬鳥として渡来し、湖沼・池沼・河川など、主として淡水域に生息する。

 ハシビロガモの体長(嘴~尾の長さ)50㎝、同属のマガモ59㎝に比べやや小型であるが、名前のもととなっている嘴は非常に大きくシャベル型、漢字名「嘴広鴨」、英語名「Shoveler」はともに嘴の形状に由来していることがわかる。

 ハシビロガモ雄の頭はマガモに似た光沢のある緑色、メスは今回の写真で見られるように他のカモ同様地味な褐色であるが、嘴の大きさから、他のカモと間違えることはない。

 ハシビロガモの不思議な行動として数羽で、あるいは集団でぐるぐる回っている所を見ることが良くある。この行動の理由は、ハシビロガモが集団でぐるぐる回ると渦ができ、水中のプランクトンが渦に巻き込まれて渦の中心に集まってくるので、ハシビロガモはプランクトンを食べるために渦を作っているとのことである。

 この時ハシビロガモは大きな嘴を水面上で開けながらぐるぐる回っているが、ハシビロガモの嘴の内側がブラシのようになっていて、水ごと吸い込んでプランクトンなど餌になる小さな生き物を濾(こ)しとり、水だけを吐き出している。

 このようにプランクトンを餌としているハシビロガモは、プランクトンが多く生息するある程度大きな池を好んでおり、万博公園の池に訪れても一日(か数日)で飛び去っていると思われる。

 さて、コロナ禍は第8波が始まったようで、インフルエンザ流行期と重なり、警戒しながらの開催を余儀なくされている。探鳥会は申込制・定員制、そしてマスク着用を継続しつつ開催する。

①日本野鳥の会大阪支部主催

・名称 万博公園12月定例探鳥会
・日時 12月10日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・持ち物 弁当、時節柄 防寒対策を十分に
・担当 平 軍二 他
・内容 遅れていたツグミなども到着し、アトリ・ジョウビタキなどの冬鳥、そして万博名物のカワセミなどとの出会いを楽しみに園内を一巡する。
・参加費 会員100円、非会員300円
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
・HPからの申込が難しい方は平あて連絡 

②吹田野鳥の会主催

・名称 千里緑地探鳥会
・日時 12月20日(火)午前9時00分
・集合 阪急山田駅1Fバスターミナル
・解散 12:00頃阪急バス佐竹台6丁目バス停付近(佐竹台6丁目バス停から、南千里・桃山台行バスは12分毎に運行。JR岸辺行、JR吹田行バス便もあり)
・持ち物 防寒対策を十分に
・担当 渡辺明信 他
・内容 旧山田村に残る王子池でカモを見た後、高野台・山田西間の千里第4緑地に入り、高町池・西山田小裏の池・海老池でカモやカワセミ、そしてシジュウカラなど林の鳥を観察する予定。
・参加費 会員無料、非会員200円
・参加希望  平(ひら)宛 メール or 電話で申込
・上記①②に関する問い合わせ、及び
 平(ヒラ)軍二 へ
 メール   g-hira@nifty.com
 携帯電話  090-6901-1425  

★文献1「有賀氏私信」
★文献 2「大阪府ガンカモ調査結果2021年度、2020年度」

ハシビロガモ

 **** 写真 ****

 種名: ハシビロガモ
 撮影日:2022年11月25日
 場所: 万博公園  撮影者:有賀憲介