2022年10月探鳥会を開催します。

2022年10月8日(土)万博公園定例探鳥会を開催します。

開催要領は万博公園定例探鳥会のご案内を参照してください。

千里の鳥・万博の鳥(第119回)「コガモ」(2022年10月)

 10月に入っても真夏日(気温30℃)の日が続いていたのに、一転秋本番となった。そんな暑さの9月、早くも冬の池の主役コガモが渡来していた。コガモは9/16に桃山公園春日大池で6羽観察されたが、数日で移動したらしく、今回の写真は9/18に王子池で確認された5羽である。

 通常真冬に見られるコガモ生殖羽(繁殖羽)の雄は、頭上が栗色、目の周囲から後頸にかけ緑色で、下尾筒は黒く黄色い三角斑があり、   「緑のサングラスと黄色いパンツ」と称される美しい姿をしている。

コガモ雄(生殖羽)

 今回のコガモ、地味で褐色の雌ばかり見えるが、5羽の中に雄もいるが、エクリプス(非生殖羽)に変化し、雌と似た姿をしていることによる。

 コガモなどカモの仲間は繁殖を終えた後、一年間使って古くなった羽を脱ぎ変える(換羽)。羽が生え変わった雄は、雌と似た地味な羽色で、エクリプスでと呼ばれている。エクリプスとは「日食」「月食」など天文現象における「蝕」を意味し、派手な体色の雄が、雌のように地味な羽色になった状態を指す。

 コガモはロシア~欧州のユーラシア大陸、アメリカ大陸など亜寒帯~寒帯で繁殖、日本には冬鳥として10月頃に渡来し一冬過ごす。春4月頃に繁殖地へ帰っていくが、日本に到着したばかりのコガモの雄はエクリプスのため、写真のように雄がおらず雌に見える。しかし、羽色の変化を観察し続けると、雄は徐々に変化し、11月には誰もが知っているコガモの雄「茶色の頭、緑の顔」の生殖羽となる。

 コガモは他のカモに比し小さいこともあって、「コガモって子供のカモですか?」と聞かれることがある。カモでは最小であるが、れっきとした種、大人のカモである。大きなカモとしてカルガモと、小さなコガモの体長(嘴の先から尾の先までの長さ)を比較すると、61㎝(カルガモ)対38㎝(コガモ)で、大きさからコガモが子供のカモと思われることは不思議でない。

毎年1月に実施中の大阪府ガンカモ調査結果(★)から、王子池のコガモ生息数を見ると、
 14羽(2019年)、24羽(2020年)
 20羽(2021年)、11羽(2022年)
と毎冬来ていることがわかる。王子池には餌となり、危険を感じたときに逃げ隠れのできるヨシなど水草や、池中央に木製浮島があるためと思われる。吹田市内では王子池のほか西山田小裏の池(遊水地)、藤白台ピアノ池などにもコガモが来ていて観察できる。

 さてコロナ禍もようやく落ち着き、日々の生活がコロナ禍前に戻りつつある。しかし予断を許さない状況に変わりはないので、探鳥会ではマスク着用はお願いし、申込制・定員制で開催する。

①日本野鳥の会大阪支部主催

・名称 万博公園10月定例探鳥会 
・日時 10月8日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・担当 平(ひら)軍二 他
・内容 秋の渡り鳥コサメビタキや、留鳥のカワセミ・シジュウカラなどとの出会いを楽しみに園内を一巡する。
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
 (平宛メール・電話連絡もOK)
・追記 当日JR西日本で500系新幹線を開発された、仲津英治氏が参加される予定で、仲津氏から「フクロウとカワセミから生まれた500系新幹線」をお聞きしたいと思っている。

②    吹田野鳥の会主催

・名称 万博公園平日探鳥会
・日時 10月18日(火)午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 12:00頃自然文化園内の予定
・担当 有賀憲介他
・内容 10日目に確認した秋の渡り鳥などを観察。
・参加希望 平(ひら)宛メール・電話で申込

上記①②に関する問い合わせ、HPでの申込が難しい方も  平(ヒラ) 軍二 へ
メール   g-hira@nifty.com
携帯電話  090-6901-1425  

★文献 大阪府ガンカモ調査結果(2018年度~21年度)

**** 写真 ****

 種名: コガモ
 撮影日:2022年9月18日
 場所: 王子池(吹田市西山田)
 撮影者:有賀憲介