2022年6月の探鳥会を開催します。

2022年6月11日(土)万博公園定例探鳥会のご案内

開催要領は万博公園定例探鳥会のご案内を参照してください。

千里の鳥・万博の鳥(第115回)「コシアカツバメ」(2022年6月)

今月はツバメ科の小鳥で、徳利(とっくり)を横に倒し半分にしたような形の巣をつくる、コシアカツバメを紹介する。コシアカツバメはツバメとよく似ているが、体長18cmとツバメ(17cm)よりやや大きく、喉や腹に縦縞があることや、コシアカツバメという種名の由来になっている腰が赤いのが特徴である。最も違うのは「巣の形」、ツバメの巣は家の軒先などあり誰もが知っているお椀型をしているが、コシアカツバメの巣は、徳利型で、子育ては徳利の中なので見えない。

コシアカツバメはツバメより少し遅れて日本に渡ってくるので、今が子育て最盛期である。今回、コシアカツバメの巣材(土)集めが藤白台で見られ、西側へ阪急線を越えて飛んだことで、古江台の集合住宅で階段の踊り場へ出入りするコシアカツバメが確認された。この集合住宅は改変予定で今は空き家になっており、立入禁止で周囲に人が出入りができないことから、今は安心して子育て準備をしていると思われる。

これまで1998年・2010年の2回、吹田市内全域でツバメの巣の調査を行っている*1。 1998年調査時はコシアカツバメの繁殖巣4巣、非繁殖巣10巣を確認したが、2010年調査時にすべて無くなっていたので、今回はほぼ20年ぶりの巣作り確認になる。

1998年コシアカツバメの巣は名神高速道路の橋桁(釈迦が池上・千里ぎんなん通り上の2カ所)にあったが、その後阪神淡路大震災後対策の一環として、名神の補強工事が実施され、橋桁にあったコシアカツバメの巣はすべて取り除かれた。橋桁にはコシアカツバメの巣が多数あり、20年以上この2ヶ所にある巣を使って繁殖していたが、巣が落とされたあと再度巣をつくることなくコシアカツバメがいなくなった。コシアカツバメは田んぼの土などをツバメ自身の唾液で固めているが、巣の近くに田んぼが全く無くなったことで、巣を作れなかったと思われる。

今回のコシアカツバメが子育てに成功することを期待するが、集合住宅周辺にハシブトガラスが飛んでいたこともあり、要注意である。

万博公園では5月探鳥会でコシアカツバメが飛んでいたので、北側茨木市域にコシアカツバメの繁殖個所があると思われる。飛んでいるツバメを見たときには、ツバメかコシアカツバメかを良く確認したい。

さてコロナ、第6波がようやく落ち着き、大阪府コロナ警報は緑信号となった。今の所100%安心できる状態にないので、日本野鳥の会大阪支部では先月案内の通り、申込制・定員制で探鳥会を開催している。

  • 今回の大阪支部万博公園定例探鳥会もその条件を適用して開催する。
    ・名称 万博公園6月定例探鳥会
    ・日時 6月11日(土) 午前9時30分
    ・集合 自然文化園中央口
    ・解散 15:00頃日本庭園内の予定
    ・担当 平(ひら)軍二 他
    ・内容 万博公園で子育て中の鳥たち、シジュウカラ・ヤマガラ、そしてカイツブリなどは子育てが終わりに近づきほっとしている時期、一方今年生まれた子供たちは独り立ちして自分でエサ取りを始めている筈、そんな鳥たちを観察する。
    ・参加希望 事前に大阪支部HPより申込みのこと
  • 吹田野鳥の会6月探鳥会も申込制で開催する
    ・名称 万博公園平日探鳥会
    ・日時 6月16日(木) 午前9時30分
    ・集合 自然文化園中央口
    ・解散 12:00頃自然文化園内の予定
    ・担当 中筋好子氏他
    ・内容 先週大阪支部探鳥会で見た万博公園の野鳥の子供たち、一週間でどのように大きくなったかを楽しみに、自然文化園の鳥たちを観察する。
    ・参加希望  平(ひら)宛メールまたは電話で申込

上記、大阪支部万博探鳥会及び吹田野鳥の会探鳥会に関する問い合わせ等は 平(ヒラ)軍二 へ
メール   g-hira@nifty.com
携帯電話 090-6901-1425

(文献)
*1 吹田市・ツバメの巣マップ1998年・2010年 (すいた市民環境会議)

**** 写真 ****
 種名: コシアカツバメ
 撮影日:2022年5月16日
 場所: 吹田市藤白台
 撮影者:有賀憲介

コシアカツバメ