2021年4月10日の定例探鳥会は中止します。

新型コロナ感染症感染拡大に伴い4月10日の定例探鳥会は中止します。

千里の鳥・万博の鳥(第101回)「イソヒヨドリ」(2021年4月)

今月の鳥は「イソヒヨドリ」、体長24㎝とほぼツグミと同じ大きさのヒタキ科の鳥である。磯に住むヒヨドリに似た鳥ということでイソヒヨドリと名前がついているので、30年以上前に、大阪南港野鳥園で始めてイソヒヨドリを見たとき、名前通りの鳥だと感じたことを思い出す。
そのイソヒヨドリ、どんどん内陸部で観察できるようになった経緯は、日本野鳥の会大阪支部会報最新号「むくどり通信2021年3月号(★①)」 に詳しく報告されているので、会員の方はぜひご確認ください。
千里ニュータウンでイソヒヨドリが観察できるようになったのは10年近く前、阪急南千里駅周辺である。吹田野鳥の会会員Tさんから、「お住いのマンションでイソヒヨドリの素晴らしい歌が聞けるようになった」とお聞きした。そのうち千里ニュータウン周辺のあちこちで観察されるようになり、特にマンションの屋上やベランダの手すりなどに休んでいる姿を見ることが多いので、コンクリートの建物を磯の岩場に見立てているのだろうと推定している。
万博公園でのイソヒヨドリ観察は2016年のこと、当初はエキスポシティ周辺だったが、今回有賀氏の写真で、自然文化園内に住み始めたことを知った。
2010年吹田市内のツバメの巣を調査(★②)した時、1998年調査時(259巣)から約1/3の(74巣)に減少していたが、ツバメの巣の減少原因が、カラスによる巣立ち直前のツバメのヒナ捕食、あることを報告した。
このころ、河内長野市でツバメの巣について詳細な調査をされていた日本野鳥の会福岡賢造氏より、イソヒヨドリがツバメのヒナを捕食するとお聞きしていた。今回その後の状況を確認したところ(★3)、同氏の調査地では2004年ごろまで50~60巣確認できたツバメの巣が、イソヒヨドリに襲われるようになって漸減し、2018年には全くツバメがいなくなり、しかも勝者である筈のイソヒヨドリも姿を消したとのことである。
吹田市では2010年以降もツバメの巣が減少しているが、イソヒヨドリの生息数が河内長野市ほど多くないこともあって、ツバメの天敵となっているかどうか確認できていない。

さて昨年3月からのコロナ禍は、終息の見通せないまま1年を過ぎた。大阪府の緊急事態宣言が3月1日に解除されたことから、4月に入ればコロナがもっと落ち着く筈と思い、探鳥会を再開する予定であったが、3月下旬になって大阪府のコロナ感染者が急拡大、第4波襲来となった。今は参加される多数の人々とともに安心して野鳥を楽しむ状況にないと思われるので、日本野鳥の会大阪支部万博公園定例探鳥会、及び吹田野鳥の会探鳥会は、4月以降も中止を継続することとした。
探鳥会を再開するまでは、ご自分のフィールドで身近な鳥たち、子育て期に入った留鳥シジュウカラやイソヒヨドリ、渡去直前の冬鳥ツグミなどを、

一人バードウォッチング」で楽しんでくださるように。

**** 写真 ****
種 名:イソヒヨドリ
撮影日:2021年3月13日
場 所:万博公園
撮 影:有賀憲介
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(参考文献)
★①むくどり通信2021年3月号「特集イソヒヨドリとハクセキレイ」(日本野鳥の会大阪支部)
★②吹田市ツバメの巣マップ2010(すいた市民環境会議)
★③福岡賢造:私信(2021年4月2日)