2025年2月定例探鳥会の案内

千里の鳥・万博の鳥(第147回)「ツグミ」(2025年2月)

 万博公園探鳥会は昭和60(1985)年2月にスタートし、満40年記念探鳥会となりました。この40年間、千里タイムズ紙には毎月探鳥会案内を掲載していただいたことから、千里ニュータウンを中心とする吹田市・豊中市など北摂にお住いの多数 (延30,000人以上) の方々に、万博公園で野鳥とのふれあいを楽しんでいただくことができました。
今後も、鳥そして人との出会いを楽しみに、探鳥会を続けたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 今月紹介するツグミは冬鳥として観察される普通に観察される体長24㎝と大きめの小鳥である。万博探鳥会をスタートした頃は冬に観察できる鳥の中で最もポピュラーで、公園だけでなく住宅地で観察できる鳥であったが、最近は万博公園でさえも少なく、珍鳥と思われるほどになっている。
 ツグミはロシア東部(シベリア)で生まれ、冬になると日本に渡ってくる鳥である。今は野鳥保護思想の普及と密猟対策の徹底から、少なくなったと思われるが、戦前~戦後にかけカスミ網猟により数十万羽、いや数百万羽という大量のツグミが捕獲され、焼き鳥用として酒場で利用されてきた悲しい歴史を持つ(★1)。
 万博公園では晩秋渡来してすぐは高い木や人から見えにくい所、クスノキの樹冠などにいて木の実を食べている。木の実が少なくなる1月には、芝生に降りて虫探しを始めるので、良く観察できるようになる。
 ツグミは虫を探して芝生上を歩く時、数歩歩いた後、今日の写真のように胸をそらし姿勢良く立ち止まり、また数歩歩くという行動を繰り返す特徴がある。大きさがほぼ同じムクドリは、常に歩いて動き回って餌探しをしているので、遠くからでも動きから両者の違いが分かる。
 そのツグミ、昨年9月日本鳥学会が発表した「日本鳥類目録改訂第8版」では、これまで亜種であったツグミ・ハチジョウツグミが、それぞれ種として独立して表示されることになり、種としての学名表示が第7版までと異なる(★2)。
第7版 
 種ツグミ Turdus naumanni
 亜種ツグミ Turdus naumanni eunomus
 亜種ハチジョウツグミ Turdus naumanni naumanni
第8版
 種ツグミ Turdus eunomus
 種ハチジョウツグミ Turdus naumanni 

 学名では亜種名が3番目に表記されるが、種として独立すると種小名となり2番目に表記される。このためこれまでのツグミの学名上の表記はハチジョウツグミが継ぎ、ツグミの表記が変化する。
この理由は、最初に新種として記載された亜種を基亜種というが、ハチジョウツグミが先に登録されていた基亜種であったことによる。
 また、繁殖・越冬分布が表示されている図鑑では、これまでの種ツグミは亜種ツグミ・亜種ハチジョウツグミの繁殖・越冬範囲を包含していたが、本年以降に発行される図鑑では種ツグミ・種ハチジョウツグミがそれぞれ独立して表示されるため、両種がどのような繁殖・越冬分布を持つのか興味がある。
 さて立春を過ぎても厳しい寒さが続くと予報されているが、日差しが高くなるなど、春はすぐ近くに来ている。ツグミなど冬鳥は繁殖地の北国に帰る準備のため、栄養補給に余念がない日々を送っている。留鳥のシジュウカラも晴れた日には木々の天辺で春の歌、「ツツピー・ツツピー」を歌い始めると思われる。


①日本野鳥の会主催 万博公園定例探鳥会
・日時 2月8日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・持ち物 弁当、水筒、筆記具
・担当 平(ひら) 軍二 他
・内容 ツグミ・シロハラ・アトリなど冬鳥、シジュウカラ・エナガなど留鳥との出会いを楽しみに、園内を一巡する予定
・持ち物 弁当、水筒、筆記具
・参加費 日本野鳥の会会員100円、非会員300円
他に万博公園への入園料 260円
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
    HPからの申込が難しい方は平あて連絡
上記に関する問い合わせは平(ひら)軍二へ
メール   g.0501.hi@gmail.com
電話    090-6901-1425
(文献)
★1遠藤公男:ツグミたちの荒野 講談社(1983年)
★2日本鳥学会:日本鳥類目録改訂第8版(2024年)

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種 名:ツグミ
撮影日:2025年1月11日
場 所:万博公園
撮 影:橋本昌宗
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