2024年7月定例探鳥会のご案内

千里の鳥・万博の鳥(第140回)「カリガモ幼鳥」(2024年7月)

 先月の万博公園探鳥会(6/8)で、カルガモ幼鳥を観察できたので、紹介したい。
 大阪府で鳥類目録2016に記載されたカモ類は30種あり、ほとんどが冬鳥(または迷鳥)として晩秋~初春に確認されている。唯一カルガモが留鳥として、府内全域で繁殖・子育てしているカモとして記録されている(★1)。

 万博公園でもカルガモは留鳥として、一年中園内に住んでいるが、子育ての記録は少ない。繁殖期には巣作り場所探しのため、ペアの2羽が園内あちこちにある小さな池や、遊歩道沿いの水路などに分散しているのを見るが、子育て成功例が少なく、ここ数年幼鳥を見ることはなかった。それが今年6月に日本庭園はす池に、ハスの中をちょこまか動き回る7~8羽の子ガモがいて、後ろから見守るカルガモの親も観察した。

 万博公園定例探鳥会での観察数(2023年度)を見ると、春4-6月25羽、夏7-9月21羽、秋10-12月45羽、冬1-3月86羽で合計177羽となり、冬に半数を占めた(★2)。冬は雪国など餌の取りにくい所から越冬に来ている個体がいるためと思われる。
 カルガモの子育てが有名になったのは、今から50年前の1980年代、東京駅近く大手町にあるビル内の人工池近くで産卵したカルガモ。5月中旬ビル内人工池に雛を連れて現れ、約1か月人工池で過ごした後の6月中旬に、大きく育った幼鳥を連れ、皇居のお堀へ移動する姿が、風物詩となった。テレビや新聞に大きく取り上げられたことで、カルガモは一躍人気の鳥となり、カルガモの子育てが一般の方にも注目されるようになった(★3)。
 一般にカルガモは河川・湿地・池や公園などの「草むらや茂み」の中、人や野犬など外敵に見つけられない所の地上に巣をつくり、抱卵しヒナが誕生する。近くの池などに移動しヒナを育て、ヒナが大きくなると自由に餌の採れる広い池へ移動して成長する。

 吹田市内でも北千里駅前広場にあるバス・タクシー用ロータリー内の水路でヒナが誕生したこと、千里ぎんなん通り高野台中学校の近くの正雀川や、春日集落を流れる高川などでヒナの行列を見たことがあるものの、子育てに成功したかどうか確認できていない。
 万博公園は水辺が多く、草むらや茂みのある恵まれた環境と思われるが、人目が多いためかカルガモの幼鳥を見ることが少なかった。
次回7月探鳥会では、このカルガモたちの成長ぶりを楽しみ実施したいと思っている。

日本野鳥の会大阪支部主催万博公園定例探鳥会
・月日  7月13日(土)
・集合 9:30自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・持ち物 双眼鏡、弁当、水筒
(熱中症対策を充分に)
・担当 平 軍二 他
・参加費 大阪支部会員100円、非会員300円
  他に万博公園入園料260円が必要
・参加希望 大阪支部HPでホームズ様式から申込のこと。HPからの申込が難しい方は平あてにメール or 電話連絡ください。
・連絡先 g.0501.hi@gmail.com
      090-6901-1425(ひら)軍二
(文献)
★1大阪府鳥類目録2016(日本野鳥の会大阪支部)
★2万博探鳥会観察記録2023年  ( 〃 )
★3マンウォッチングする都会の鳥たち (唐沢孝一)1987年草思社
 
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種 名:カルガモ幼鳥
撮影日:2024年6月8日
場 所:万博公園
撮影:橋本昌宗
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カリガモ幼鳥