千里の鳥・万博の鳥最終回(第150回)「キビタキ」(2025年5月)

これまで探鳥会案内とともに、いろんな鳥を紹介していただいてきた千里タイムズ紙が、本号で幕を下ろされることになった。千里の鳥・万博の鳥の「トリとして最も適している鳥は?」、万博公園の樹林生長の生き証人となり、園内で繁殖・子育てをするようになったキビタキとした。
夏鳥として渡来し、大阪近郊の平野部から山地でよく観察でき、繁殖・子育てをしているオオルリ・キビタキの2種は、万博公園では全く違った顔を見せている。オオルリは4月探鳥会で時々観察するものの、5月以降に観察することはない。一方キビタキはオオルリより幾分遅れて渡るようで、4月探鳥会での観察はオオルリより少ないが、5月・6月の探鳥会でほぼ毎年観察できる。しかもオオルリが観察できるのは園内の落葉樹林、明るい林であるのに対し、キビタキは薄暗い常緑樹林の中から、さえずりを聞くことが多い。
2014年7月万博公園探鳥会でキビタキの幼鳥が確認され、大阪府内平野部の公園で、キビタキの子育てが始まったことを確認した。(★1)。
万博公園ではその後もキビタキの繁殖が続いていることから、園内の常緑樹林の生長がキビタキを呼び、繁殖場所を提供していると思われる。
今年4/26のくろんど園地探鳥会(交野市)で、オオルリ・キビタキの両種を観察した。オオルリは落葉樹林の続く谷筋の上りで観察し、キビタキは常緑樹林からさえずりを聞いた(★2)。万博公園と違ってくろんど園地では両種が共に繁殖しているが、生息場所は万博公園と同じ傾向が見られた。
万博公園の森づくりを検討されている「緑整備部会」では、常緑樹林の中にわずかにあった落葉樹を残し、常緑樹をほぼ全伐し、「明るい森づくり」を推進されている。明るい森づくりの成果が出ると思われる5年~10年後に、春の渡り鳥のキビタキ・オオルリの関係がどうなっているか、非常に興味がある。
(以下、最後の探鳥会案内を記載する。)

①日本野鳥の会主催 万博公園探鳥会
・日時 5月9日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・担当 平(ひら) 軍二 他
・持ち物 弁当、水筒、筆記具、観察用具
・参加費 日本野鳥の会会員100円、非会員300円
他に万博公園への入園料 260円
・参加希望 大阪支部HPのホームズ様式により申込のこと。HPからの申込が難しい方は平あて連絡
②吹田野鳥の会主催 甲子園浜探鳥会
・日時 5月14日(水) 午前11時
・集合 阪神甲子園駅東改札口前(阪神バスに乗車し甲子園浜へ)
・解散 15:00頃阪神甲子園駅の予定
・内容 春の渡りのシギ・チドリ
・担当 田中 宏 他
・持ち物 弁当、水筒、筆記具、観察用具
・参加費 吹田野鳥の会会員0円、非会員200円
・参加希望 平(ひら)軍二宛、メールまたは電話連絡
上記①②に関する問い合わせは平(ひら)軍二へ
メール g.0501.hi@gmail.com
電話 090-6901-1425
万博公園探鳥会は40年間、千里タイムズ紙に支えられてきた。1995年に万博公園探鳥会の年度参加者数が最高1591人を記録するなど(★3)、千里周辺に住む多数の方に野鳥に親しんでもらうことができた。
探鳥会案内や野鳥情報だけでなく、千里ニュータウンの様々な分野の情報を克明に記録されてきたことから、地域に住む人々に心の糧となっていたことと思われる。
その千里タイムズ紙が2025年5月発行号(本号)をもって定期発行に幕を下ろされることになりました。この間の代表磯野 新様のご苦労は大変なものだったと思います。休養を充分おとりいただいて、また新しい形での情報発信をお待ちしたいと思います。40年間、ありがとうございました。
日本野鳥の会大阪支部、吹田野鳥の会
2025年5月吉日 平 軍二