千里の鳥・万博の鳥(第144回)「エゾビタキ」(2024年11月)
先月10/12の探鳥会ではエゾビタキが10羽と、数多く観察できたので紹介したい。
エゾビタキは繁殖地が千島・カムチャッカ、樺太、ロシア東部にあり、日本では春・秋の渡りの季節に通過する旅鳥である。サメビタキ属3種は、特に秋の渡り時によく観察できるが、これまでの観察数(概数)は、コサメビタキ10羽に対しエゾビタキ5羽、サメビタキは1羽以下と、コサメビタキが多かった。それが先月探鳥会では、コサメビタキが2羽にとどまったのに対し、エゾビタキは10羽と多かった。
平が担当の10/6枚方淀川探鳥会(淀川河川敷)では、エゾビタキ12羽、コサメビタキ6羽、そしてサメビタキも2羽観察していたことから、今秋はエゾビタキが多かったのかどうか、他の探鳥会についても確認したいと思っている。
エゾビタキの体長(嘴~尾)は14.5~15㎝と、コサメビタキ13㎝、サメビタキ14㎝に比しやや大きく見える。また下面は写真で見られるように、胸から脇に暗灰褐色の斑があることから、屋外観察で他の2種と識別しやすいポイントになっている(★1)。
北海道に繁殖していないのにエゾビタキと名づけられているが、蝦夷地といわれていた北方四島に繁殖していたことから、エゾビタキになったのでないかという説がある(★2)
エゾビタキを含めたヒタキ科の鳥はフライングキャッチが得意で、明るい林の枯れ枝などに止まっていて、近くに昆虫がくると飛び立ち、空中でホバリングしながら飛んでいる昆虫を捕まえる。その特性は海外でも認められているようで、サメビタキ属・キビタキ属・オオルリ属など英名は「Flycatcher」とある(★1)。
エゾビタキ Grey-spotted flycatcher
キビタキ Narcissus Flycatcher
オオルリ Blue-and-white Flycatcher
さて11月に入ってようやく秋らしい日和となり、カモ仲間やジョウビタキなど、冬の鳥が観察できるようになった。11月探鳥会ではどんな冬鳥が渡来しているかを楽しみに、探鳥会を開催したいと思っている。
① 日本野鳥の会大阪支部主催
・名称 万博公園11月定例探鳥会
・日時 11月9日(土) 午前9時30分
・集合 自然文化園中央口
・解散 15:00頃日本庭園内の予定
・持ち物 弁当、水筒、筆記具
・担当 平 軍二 他
・内容 ジョウビタキ・アトリなど冬の小鳥との出会いを楽しみに、園内を一巡する予定。
・参加費 会員100円、非会員300円
・参加希望 大阪支部HPより申込のこと
HPからの申込が難しい方は平あて連絡
② 吹田野鳥の会主催
・名称 千里ニュータウン探鳥会
・日時 11月24日(日) 午前9時
・集合 阪急南千里駅改札口
・解散 12:00頃桃山公園内の予定
・持ち物 水筒、筆記具
・担当 平 軍二 他
・内容 千里南公園(牛ヶ首池)、佐竹公園(ぼだい池)、桃山公園(春日大池)と千里ニュータウン南西部の公園をめぐり、池に来たヒドリガモ・ヨシガモなどのカモの仲間、アオジなどの冬鳥やカワセミを楽しむ予定。
・参加費 吹田野鳥の会会員無料、非会員200円
・参加希望 平 軍二宛メール or 電話で申込
上記①②に関する問い合わせは平(ひら)軍二へ
メール g.0501.hi@gmail.com
電話 090-6901-1425
(文献)
★1真木・大西・五百澤「日本の野鳥650(平凡社) 2014年
★2インターネット検索結果
(写真 正面・側面とも)
種 名:エゾビタキ
撮影日:2024年10月12日
場 所:万博公園
撮 影:橋本昌宗