3月の探鳥会は中止します。

まん延防止が3月7日以降も継続されることになりましたので、予定していた探鳥会
3/12日本野鳥の会大阪支部 万博公園探鳥会は中止いたします。

千里の鳥・万博の鳥(第112回)「オシドリ」(2022年3月)

 今冬、吹田市・千里第4緑地海老池に定住しているオシドリを紹介する。オシドリは体長45㎝の中型、雄の色彩が鮮やかなのに、シックな雌と仲睦まじく水面を泳ぎ、人気の的となっているカモである。

 オシドリは東アジア(ロシア南東部、朝鮮半島、日本、中国など)に分布、日本では本州中部以北、北海道で繁殖し、冬季になると本州以南(主に西日本)へ南下し越冬している。

 千里ニュータウン周辺では、千里中央公園安場池にはオシドリが毎冬40~50羽越冬しており、万博公園の水鳥の池にもよく来ているが定住していない。毎年実施されている全国一斉のガンカモ調査結果(昨2021年1月実施)において、大阪府全体で1000羽カウントされたが、480ヶ所ほどの調査地でオシドリのいた池は26ヶ所と多くない。

 オシドリの特徴は雄の三列風切羽、イチョウの葉を思わせる形の大きな羽はイチョウ羽と呼ばれている。雄はイチョウ羽だけでなく嘴、頭上から後頭の冠羽、頸の羽など、赤色系統の様々な羽に飾られ、美しく見間違うカモはいない。一方雌は全体に灰褐色系の地味な色合いで、目のアイリングから後方に伸びる白い線に特徴がある。

 また繁殖を終えた真夏~初秋に見られる雄のエクリプス(非繁殖羽)は雌に似ているが、くちばしは赤色である。越冬地に渡来する頃のオシドリ雄は、エクリプスから鮮やかな繁殖羽に変わっている。

 誰もが知っていることわざに「おしどり夫婦」があり、結婚式での祝辞の定番となっているが、写真で見られるように派手な雄と地味な雌が仲良く泳いでいるのを見ると納得できる。

 繁殖地のオシドリは天然の樹洞(うろ)に卵を産んで子育てするが、巣を決め産卵する頃までは雄が雌及び巣の近くを見守って、おしどり夫婦の名誉を貫いている。しかし、「メスが卵を温め始めると雄はそこを去り、番(つがい)が解消されてしまい、後は雌のみが子育てを受け持っている」とのことである。
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 オシドリの古名は「おし」、つがいの相手がいなくなると思いこがれて死ぬと言われ、「思い死ぬ」が短く「おし」となったとのこと、あるいは雌雄「愛し(おし)」からともいわれている。
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 周囲が明るい池の好きなヒドリガモと違って、オシドリは人見知りしていて、池面に伸びた木の陰に休んでいるカモ、海老池には毎冬来ていたと思われるが、滞在期間は1日~数日間で、ゆっくり観察できなかった。今冬は池の西(遊歩道)側に残されたネザサ・灌木が成長し、釣り人が池に入れなくなったことで、オシドリが人に脅かされることがなくなり定住したらしく、このまま渡去時(3月末)までいてくれると思われる。

 さてコロナ第6波、大阪府では「まん延防止等重点措置」の期限が3月6日で切れるところ、再度延長された。そのため、日本野鳥の会大阪支部ではまん延防止解除=赤信号終了までは府内18カ所で開催している定例探鳥会は中止、解除後も黄色信号か緑信号かで判断することになった。これに合わせ

・日本野鳥の会大阪支部万博公園定例探鳥会(3/12)

・吹田野鳥の会万博公園(平日)探鳥会(3/22)は、ともに中止をすることにしたい。

 例年より少なかった冬鳥、ツグミの姿がようやく見られるようになり、留鳥もシジュウカラの春の歌「ツツピー・ツツピー」、さらにウグイスも「法華経」の練習に入った。

 明るい春の日差しを受けながら一人ウォッチング、ウィズコロナの日々を楽しんでくださいますように。

**** 写真 ****

種  名:オシドリ 
場  所:千里第4緑地・海老池
撮影者:有賀憲介

オシドリ DL8A4543 R040122 海老池 ariga


★1 鳥のおもしろ私生活 ピノッキオ編(1997年)主婦と生活社

★2 名前といわれ「水辺の鳥」 国松俊英著
(1995年)偕成社