2月の探鳥会は中止します。

2022年2月12日の探鳥会は中止です。

1月万博探鳥会は開始前日に中止としたため、多くの方にご迷惑をおかけしました。
その後もオミクロン株は衰えを知らず拡大しており、大阪府のコロナ警報は「赤信号」が継続したまま、このため日本野鳥の会大阪支部では2月に予定していた探鳥会すべてを中止にしました。
それを受け、2月の万博公園定例探鳥会及び、吹田野鳥の会安威川探鳥会はともに中止とします。
皆様にはコロナ禍が落ち着くまで、一人ウォッチングの日々を楽しんで下さいますよう、お願いします。

千里の鳥・万博の鳥(第111回)「ホオジロガモ」(2022年2月)

今回は新年早々に吹田市・千里南公園牛ヶ首池で観察されたホオジロガモを紹介する。
ホオジロガモは体長45㎝の中型、潜ってエサをとる海ガモで、北ヨーロッパ~シベリアのユーラシア大陸、カナダ・アラスカのアメリカ大陸と北半球の亜寒帯で繁殖し、冬期は温帯の地中海やペルシア湾、日本、中国南部、朝鮮半島、そしてアメリカ中部に南下し越冬している。日本では越冬個体の多くが北日本にとどまることから、大阪近郊では見ることが少ない珍鳥となっている。
しかも大阪湾の沿岸部、埋め立て地や河口付近では観察されているが、内陸部で観察されることは稀である。そのホオジロガモ、千里南公園・牛ヶ首池では2011年、2013年に観察されており、今年は9年ぶりに姿を見せた。
毎年1月に実施している大阪府内のカモ調査結果を見ると、昨年(2021年)はカモトータルが32,000羽、吹田市内でも良く見られるホシハジロ8,600羽、ヒドリガモ6,100羽と多いのに対し、ホオジロガモはわずか11羽のみであった。しかも確認された所は大阪南港・北港、淀川・大和川河口、そして岸和田市「ちきりアイランド(埋め立て地)」などの沿岸部で、内陸部の池での観察はなかった。
私は30年ほど前、ホオジロガモが出ていると聞き、泉大津市助松埠頭まで見に行ったことがあるが、遠く波に揺られているカモに、トレードマークの頬白を見つけて納得したことを思い出す。
そんな苦労してみたことのあるホオジロガモ、今回は雄成鳥が近くいて、嘴基部にある白斑から、すぐに名前もわかる状況にあった。頭を動かすごとに顔周辺の色が微妙に変化し、写真のような緑色光沢のある黒色だけでなく、紫色気味に変化したり、黒色気味になったり、色の変化も楽しめた。
ホオジロガモはよく潜水していたので、エサがとれていたかもしれないが、吹田市でこの10年間にホオジロ ガ モ が 観 察 で き た 池 は千 里 南 公 園 ・ 牛 ヶ 首 池 での3回のみだったので、ホオジロガモが他の池に比べ牛ヶ首池を好む要因は何 か 気 に な る と こ ろ で ある。
桃山公園春日大池にはここ数年連続してアメリカヒドリが来ていることからも 、カ モ の く る 池 は 、 ピ ンポイントと思われるが、何を 目 あ て に 選 ん で い る のか不思議である。
その牛ヶ首池のホオジロガモ、1月18日にはいなくなったとのこと、来年以降も 来 て く れ る こ と を 、 楽 しみに待ちたい。

さて、今年に入ってのコロナ第6波、昨年第5波までの経験を大きく上回る感染力を発揮し、日々感染者数の記録を更新している。1月万博定例探鳥会は事前申込・定員制による開催で準備していたが、正月明けにコロナ急拡大がわかり、急遽中止とした。コロナ感染者数増加が続く中、大阪府の新型コロナ警戒信号が黄色→赤色に変わったこともあり、日本野鳥の会大阪支部では府内18カ所で開催している定例探鳥会は、当面中止することになった。
これに合わせ
・日本野鳥の会大阪支部万博公園定例探鳥会(2/12)
・吹田野鳥の会安威川(吹田・摂津)探鳥会(2/20)
は、ともに中止をすることにしたい。
今冬は例年より冬鳥が少ないものの、家からすぐ近くの千里緑地の樹林にジョウビタキ・シロハラなどの小鳥、池にはヒドリガモ・ホシハジロ、そしてオシドリなどのカモ、カワセミも楽しめる。
一人ウォッチングで、民家の庭先に咲くロウバイ、そしてウメの香に春の息吹を感じながら、コロナが落ちつく日々を待ちませんか。


「・・・・・来たりなら春遠からじ」

ホオジロガモ


**** 写真 ****
種 名:ホオジロガモ
場 所:千里南公園・牛ヶ首池
撮影日:2022年1月17日
撮影者:有賀憲介