12月11日の定例探鳥会を開催します。

開催要領は万博公園定例探鳥会のご案内のページをご覧ください。

千里の鳥・万博の鳥(第109回)「キンクロハジロ」(2021年12月)

今年は冬の小鳥の渡来が遅く、12月に入ってもツグミ・シロハラの姿がほとんど見ないままである。そんな中、ヒドリガモ・ヨシガモ・キンクロハジロ・オシドリなどカモの仲間はほぼ例年通り、千里ニュータウン内の池で観察されるようになった。

カモの仲間は生活様式から海ガモ・淡水ガモに分けることがある。海ガモは波の荒い海でも潜水してエサ取りできるカモのことで潜水ガモとも呼ばれており、キンクロハジロ・ホシハジロは海ガモに分類される。一方池や川で観察する潜れないカモ、マガモ・コガモ・ヒドリガモ・ヨシガモ・オシドリなどは、淡水ガモと呼ばれている。

海ガモと呼ばれても池で見ることが多いキンクロハジロは、潜ってタニシなど貝類、エビ・ザリガニなど甲殻類、小魚・カエルなどの動物食を主とし、イネ科・タデ科など水辺に生える植物の種子なども食べている。

今回写真で紹介する蓮間池のキンクロハジロは、大きな木の実をくわえており、拡大すると「花柱の名残」らしき突起が見えたので、キンクロハジロがドングリ?と不思議に思った。戦前から有名な鳥類学者、清棲幸保著「野鳥の事典」*に食べ物が列記してあるので、ドングリをエサにしているカモを調べたところ、オシドリ・マガモ・カルガモ・コガモなどが記載されていた。日頃は暗い緑陰にいるオシドリがアラカシの木でドングリを食べていることがあり、またオシドリの名所ではドングリを集めていること、マガモ・カルガモもドングリを食べているので納得できた。

キンクロハジロにドングリの記載はなかったが、池の中に沈んでいるドングリが多いので、潜水で見つけたドングリはキンクロハジロの重要なエサ源になっていると思われる。

また写真のキンクロハジロは雄エクリプスと思われるので、12月には繁殖羽に変化した姿を確認したい。

さて、11月より再開した探鳥会、12月もフリーではなく、会員の方のみで事前申込・定員制とする。参加を希望される会員の方、下記に申し込んでくださるようお願いする。

1.日本野鳥の会大阪支部万博公園探鳥会

日時 12月11日(土) 9:30~12:00
場所 自然文化園中央口(太陽の塔前の入口)
内容 自然文化園内で、ツグミ・シロハラ・アトリなど    を観察する予定
終了予定 12:00頃 自然文化園内
担当 平 軍二他
申込 日本野鳥の会大阪支部HP
万博公園探鳥会受付様式(formzu)より 

2.吹田野鳥の会千里緑地探鳥会

日時 12月21日(火)9:00~12:00
場所 阪急山田駅1Fバス乗り場
内容 王子池・高町池・西山田小裏の池・海老池と四つの池をめぐり、カモ・カワセミなど水鳥、千里第4緑地の樹林に住むシジュウカラなどを観察する予定。
担当 安達直樹さん他

申込 g-hira@nifty.com (平) 
問い合わせ 1.2.とも 090-6901-1425(平)

(文献)
★清棲幸保著 野鳥の事典(昭和41年9月初版 東京堂出版)

**** 写真 ****
場  所:千里北公園・蓮間池
種 名:キンクロハジロ 
撮影日:2021年11月12日
撮影者:有賀憲介

千里タイムズ R03年12月 キンクロハジ20211112 蓮間池 ariga