2024年4月探鳥会報告

服部緑地定例探鳥会 4月13日(土) 天候:晴れ 参加者:27名

出現種39種

 令和6年度の初回は、良い天気に恵まれました。夏鳥の渡来も早々に各地から聞かれていますが、さて、探鳥会でも現れてくれるでしょうか?見事にタイミングを外してしまった、去年の記憶がよぎります。大丈夫かなぁ。

 緑地公園駅から下って最初の観察スポット、高川ではなんと、セグロセキレイのみならずセキレイ類がすべて欠席。漂鳥のキセキレイは山に帰ったとして、ハクセキレイも巣作りの最中、ってことでしょうか。一抹の不安に駆られつつ新宮池へ。もうカモも少ないだろうし、アオサギの営巣だけチラ見する予定でしたが、ハシビロガモはまだ残っていました。 足早に進んだうづわ池でカイツブリを見ていると、すぐ頭上をうろうろするシジュウカラ2羽・・・は、!巣材をくわえています。こりゃいかん、巣作りの邪魔でしたね、急いでその場から移動しました。

 その勢いで登りはじめた坂道の途上で、聞こえてきました。待望の夏鳥一号、キビタキのさえずりです。と言っても、簡単にはそれと気付けないほどのヘタっぷり。そもそも小声で、前奏の歯切れは悪く、肝心のリフレインも滑舌が悪い・・・絵に描いたような練習中でした。ガンバレ!

 服部緑地の北東にそびえるは、海抜58m(^^;)のいなり山。その頂を眼前に臨む子鹿橋まで、小急ぎで登ってきました。ここから、いよいよ腰を据えて夏鳥を探します。なかなかに高いコナラの梢に目を凝らすと、枝移りする鳥影が見え始めます。ムシクイかも?と参加者の方に見せていただいた写真の鳥は、両脇にがっつり入った縦斑から、冬鳥アオジであることがわかりました。渡りを前にしたアオジは、こんなに高い木の梢にいることもあるのですね。首が痛くなるほどに新緑の樹冠を見上げながら進むと、今度は少し赤みのある小鳥。期待から、ついニュウナイスズメかと思ってしまいましたが、見えるところに出てきたのは、またも冬鳥のアトリ。

 おいおい、と思っていると、後列の方から「キビタキ!」の声がちらほら。おっ?と目をやると樹冠を縫ってこちらに飛んできたのは、まさしくキビタキの雄でした。と、しかし、双眼鏡の向いている方向が違うぞ?と思ったら、向こうには別に1羽。どうやらキビタキ雄は複数いるようです。見通しの良い枝で長くとまってくれたものを、スコープでじっくり観察できました。

 さらに尾根を進むと、普段は人影の少ない林内に、カメラマンさん達の一群。なんと、オオルリもいるそうです。言われて耳を澄ますと、こちらもぎこちないさえずりが細く聞こえていて、やがてオオルリが雌雄で出現!いやもうこれ、見事に時期を外した去年と比べるべくもない、大成功といえましょう。

 トイレ休憩後はこれまで通り、広場を抜けて菰ヶ池、そして中池へ。この冬は水位が下がっていた中池も、しばらくの雨続きで水位が戻り、鳥も少なくなりました。夏鳥探しでずいぶん時間を割いたため、若竹池は省略。山ヶ池にはまだそこそこの数のヒドリガモやオオバン、コガモがいますが、マガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、オナガガモは、すでに北へ帰ってしまった様子です。

 さて、そろそろ終了予定の12:00が近いので、また足早になります。クロツグミの前情報があった「鐘が鳴る丘」ですが、さすがにこんな真昼間には出ないだろう、と空気感にだけ浸って、終点の「小鳥の森」に到着。しかし後方がなかなか来ません。なんとクロツグミ、先頭が見切ってスルーした後で、出ていたそうなのです。これは仕方がない。そそくさと鳥合わせを済ませて解散後、あらためて鐘が鳴る丘へ向かいました。姿を見た方はおられたのかな?私は梢から、やっぱりたどたどしくも透る「ぐぜり」を、辛うじて聞くことができました。

 何のかんのではありましたが、居残る冬鳥と旅の夏鳥に恵まれ、39種も観察できたのは上々の結果です。一年を経てのトラウマ払拭、あい成りました!