2024年3月探鳥会報告

服部緑地定例探鳥会 3月9日(土) 天候:晴れ 参加者:34名

出現種43種

鳥合わせ

 服部緑地の定例探鳥会をお引き受けして、今回が満1年。参加者は、結果的に過分となったキャンセル見込みもあって、結果的に34名+の超大入りに。しかし、めでたいと喜んでばかりもいられません。時間を超過しないよう、歩道の通行者の支障にならないよう、念押しの注意も添えて、いざ出発。

 公園までの緑道では、スズメの声が少し高らかに聞こえます。繁殖期を迎え、巣となる人家での活動が増えてきたからでしょうか。高川ではこの冬ほとんど目立たなかったツグミが河床に降りていて、キセキレイ、ハクセキレイと比べて、その見つけにくい仕草と体色に舌を巻きました。おや?セグロセキレイは欠席。繁殖が早い彼らは、巣作りが忙しい頃なのかもしれません。

 さて、前回の教訓を踏まえ、時間内の終了を目標に掲げた今回。コースのロスを少しでも減らすため、最初に新宮池に向かうことにしました。池面に群れていたカモたちはその数をめっきりと減らし、順次北国への帰還を始めているようです。3月は別れの季節ですね~。お決まりのマツの上には、ひょっこりと首を伸ばすまで気づかなかったアオサギ。こちらもそろそろ抱卵に入っているようです。ここまできたら、きびすを返してうづわ池へ。

 去年多くのカモが群れていたはずのうづわ池ですが、夏の藻類大繁茂の影響がまだ残っているのか、池の隅にマガモが残る程度でした。そのまま池の傍を通り抜け、北東から回転花壇に入ってレストハウスでトイレ休憩。と、ここで問題発覚。新宮池に居残って観察を続けていた最後尾が、道に迷っていたことがわかりました。無事合流できて何よりですが、人数が増えると難しい対応も増えますね。

 気をとり直して進みます。去年はアトリの大きな群れが集まっていたアキニレの木、結局今年はほとんどの実が食べられずに残りましたね、と紹介して、しばらく広場で樹頂のカワラヒワやヒヨドリを観察していると、また後半部の人たちが動かない。なんだろう、と思ってその視線の先を見ると、件のアキニレの低い枝にカワラヒワ、そしてその隣に、今年はいないと思っていたアトリが1羽、バリバリと実をついばんでいるじゃないですか。集まるとにぎやかなアトリも1羽1羽は静かなので、群れでもなければなかなか気づけないものです。じっくり観察できてよかった。

 菰ヶ池で見られたカワセミは、今日は下くちばしが赤いメス。カメラマンさん方が全くいなかったのは、どこぞで大珍鳥の情報でもあったのでしょうか?中池に来て、今回ようやくカモの群れを見た気がしました。たくさんのコガモ、そしてその中の1羽は、トモエガモの雄です!距離感はこの冬で一番近いですが、いかんせんお休み中。その前で寝ているメス鴨も周りのコガモより一回り大きく、もしや・・・と注意していると、ふともたげた顔は、嘴の付け根に目印の白斑、やはりのトモエガモ雌でした。しっかりと目に焼き付けておこう。

 気づくと雄や周りのコガモも目覚めていて、何やら慌ただしく飛び立つものも。ちょっと近くで見すぎたのか?時間も詰まってきたので池の南端に移動したのですが、また後続がなかなか来ない。南端でホシハジロが羽づくろいしているのを近くでじっくり見られて満足していましたが、この時、後続組ではハイタカが出現していたと後で知りました。どうりでカモが慌ただしかったわけだ!ただ、ハイタカにしてはカモの右往左往が激しく、後で山ヶ池に飛来した群れもありました。ひょっとすると、もっと大きなタカも、どこかにいたのかもしれませんね。

 てなわけでっ。やっぱり時間が押しての山ヶ池。ただ、ここでもカモの数は少なく、代わりにオオバンが池面の遠くから「餌くれるんか?」とばかりにずいずい集まります。君らは帰らなくていいのか?ハスの枯れ葉の間のヨシガモを探して、さらに上手へ歩きます。オカヨシガモはまだそこそこ残っていましたが、見つかったヨシガモはどうにか3羽まで。今年はこれが見納めかな。

 ああ、誓いも空しく、結局終了時間を超えてしまいました。それでも懲りずになお、ルリビタキが現れないかチラ見しつつの鳥合わせ。この意地汚さに、しょうがなく?出てきてくれたルリビタキも加えて、計43種が本日の結果です。まずはどうにか乗り切った1年、次年度からはいろいろアレンジも加えつつ、服部緑地の四季の鳥を探していきたいと思います。