2024年2月探鳥会報告

服部緑地定例探鳥会 2月10日(土) 天候:晴れのち曇り 参加者:29名

出現種47種

鳥合わせ

 1年で一番寒いと思っていた2月、でしたが、日差しがあると、なにやらぽかぽかとしてきます。口にすると逃げて行ってしまいそうですが、「春」と言っていいのでしょうか?暦の上では、先週が立春です。参加者は29名、今回はキャンセルを受けた定員追加の設定も間に合い、なかなかいい線行きました。まずは高川で3種のセキレイとたわむれ、園内へ。

 先月はミコアイサがにぎやかだったうずわ池も、この日は心なしか静か・・・と思いつつ進むと、!静けさを打ち破る水音が近づいてきました。中サイズのナマズをくわえたカワウに、突撃するもう一羽のカワウ。なんと餌をめぐるバトルが始まり、一気に騒然とした空気感となりました。これに興奮したのかどうか、背後ではカイツブリが奇声を上げてますますヒートアップ。一瞬落とした獲物を拾い上げたり、潜って水中戦になったりして、最終的にどちらかはわかりませんが、勝者がナマズを一口に飲み込んで決着しました。

 興奮冷めやらぬ中、新宮池へ向かうと、こちらでもカイツブリが、いつものさえずり相当の声だけでなく、「ケェーッ」と奇声で鳴き交わしています。どうやらこの暖かさから、繁殖を前にちょっとした興奮状態にあるのかもしれません。アオサギは例年の営巣木に巣材を運び込んで造巣中。ハシボソガラスもつがいで枝を折り取っています。今年の目玉、トモエガモ6羽をはじめ冬鳥のカモたちがのんびりしている中、留鳥たちの繁殖モードが始まっていました。そういえばシジュウカラの声も、さえずりが多く混じっています。

 新宮池から戻る途中の落葉樹の枝先には、先月は出会えなかったアオバトの群れが止まっていました。胸の黄色が強い日差しに輝いて美しい!梅林わきのツツジには、スズメの一群が収まっていました。冬場のむら雀は、なんだかほっこりさせるものがあります。しかしスズメたちにしてみれば、じろじろ見る人間の群れに危険を感じたのかも。次々と飛び立って、向かいの看板の上に整列!しかし、これはこれで、よき哉(^^)。

 それにしても、スズメに目が行く程に、今冬の小鳥類の少なさは顕著に思います。去年はアトリが群れていたアキニレの実が、まだ樹冠にまるごと残っています。全然食べられていないようです。なんて浸っていると、背後で「ケレレレ!」っとアオゲラの叫び声。姿は見えませんでしたが、今年も山から降りてきているようです。菰ヶ池では陽光の照明に輝く、まぶしいばかりのカワセミの雄がキマっています。中池では杭の上から地面の餌を探すモズ、ジョウビタキ、それと新宮池では見つからなかったゴイサギ幼鳥(ホシゴイ)が、こちらで休んでいました。池端の路上にはユスリカの蚊柱が舞っています。道中見かけた、梢から飛び立っては戻るメジロのごちそうです。

 またしても時間が押す中の山ヶ池では、ウグイスが藪より高い、見える枝に出てきています。もうひと押しでさえずるのかも。ジョウビタキの雌雄が、実がなっているノイバラの茂みを取り合うのを目の前で見られたり・・・。

 と、ここらで「そろそろ帰らなくてはならないので・・・」と、鳥合わせを待たず離脱される方が出始めました。気づけば12時を大きく回っています。次々と現れる鳥たちの観察に没頭しすぎたようです。「熊代リーダー、お先に失礼します」との声に、グサリ。いけませんね、参加してくださったみんなで鳥合わせしてこその探鳥会。楽しむことはもちろんですが、これからは時間配分も心掛けますm(_ _)m。

 そう誓った矢先、終点の小鳥の森では、ルリビタキの駆け込み出現を待って、なかなか鳥合わせが始まらない事態に・・・\(^^;)オイ。いえ、そのぐらいの余裕を持った周回が大切ってことで。
 反省の意味も込めて?解散後にようやく現れたルリビタキは、涙を呑んでノーカウント、47種で締めとしました。振り返ると、去年の冬に見た鳥のうち、トラツグミもソウシチョウもアトリも出ていません。種数にこだわるわけではありませんが、年によってずいぶん変わるものですね。だからこそ、継続していく意義もあるのです。