服部緑地定例探鳥会 5月11日(土) 天候:快晴 参加者:31名
出現種21種
前年のトラウマを克服した4月の定例。5月もこの勢いで、渡りの鳥にたくさん出会いたいものです。幸先の良いことに、先行して下見をしてくれていたスタッフからは、サンコウチョウの出現で人だかりがある、とか、センダイムシクイがいた、などの勝ち確定情報が飛び込んできました。お天気も快晴に恵まれ、いざ出発。高川では、ハクセキレイをしばし観察できましたが、すぐに飛び立って川から離れてしまいました。巣へ向かったのかも。
公園に入ったところで「コウノトリ」目撃の声がありました。後の鳥合わせでもいったん採用としましたが、落ち着いて勘案するに周辺は住宅密集地。高空の通過はあったとしても、コウノトリの生息はあり得ない環境です。見込みの乏しい環境での観察を記録として扱うには、相応に確実な証拠が必要ですが、うかがった限りの特徴は、慣れた人でも誤認し得るものだけでしたので、手のひら返しにはなりますが、却下の扱いといたします。
新宮池ではアオサギが繁殖真っ最中、発育盛りの雛と親のやりとりにほっこり。うづわ池でカイツブリをチラ見して、あえてサンコウチョウ集団には背を向け、独自に旅鳥との出会いを求めて、標高58mいなり山へ登ります。と、その道中に響いたウグイスのさえずり。5月に入ってまだ居るとは、あるいは繁殖を試みるのかもしれません。
さて、登り着いた子鹿橋。旅鳥はいずこ?という時に現れたシジュウカラは、またもや餌をくわえています。かと思えば、今回はためらうことなく、つるつると立木の根際に開いた小穴に向かい、すっぽり突入。いや、それはあんまり無防備が過ぎるでしょ、と突っ込みたくなる位置の巣に、仕方なく待ちをあきらめて、先先と移動を続けることにしました。しかし、先月カメラマンさんでにぎわった林内は、鳥の気配からまず見当たらず、あっさりと通り抜けるばかりでした。えー、センダイムシクイは・・・?気付けば繁殖しているはずのキビタキの声さえ確認できていません。
トイレ休憩後、歩き始めた脇の林内に、謎の人だかり。みんな上を見上げてます。これは、いるのかな?サンコウチョウ。見に行きたい誘惑も半分はありますが、とりあえず巡回を優先で、道端の遠くから見ていますと、高い樹冠部に、ひょいと、尾の長いその姿が!真下からの枝かぶりの逆光で見るより、少し遠めでも、実はよかったのかもしれない、と自分的に納得して(見れなかった方はすみません)進みます。
しかしこの先、いつもは外れないカワセミも見られず、中池も水位が戻って、休息のコサギが1羽のみ。冬鳥のカモたちは北へ旅立ってしまったのだとしても、カルガモさえ姿がなく、これはさすがに寂しい道程に。ということで、浮いた時間を、先ほどのサンコウチョウポイントまで戻ってきたところでしばらく待ちとし、追っかけ軍団に一部混ぜてもらったりしました。ふと振り返った山ヶ池には、おお、今回初めて現れたバン。つがいで巣作り真っ最中でした。サンコウチョウも時々低い位置まで降りてきてくれたりしたようで、しっかり見れた方もいたようです。
とはいえ今回はこれがピークでした。お昼前の、まだバーベキューの香りもまばらな「鐘が鳴る丘」を早々と抜け、終点の「小鳥の森」の水場で時間をとって、ヤマガラの雛たちに癒されたりもしましたが、結局鳥合わせ結果は(コウノトリを除いて)21種。実は解散後には、水場ではアカハラが出現したり、帰り道にモズがいたりと、時すでに遅い見どころが続々とあったのですが、あとの祭りでした。これで、春の渡りは去年からの累積1勝3敗で2割5分、そう思えば健闘してる方かもしれませんね。