服部緑地定例探鳥会 1月11日(土) 天候:晴 参加者:30名
出現種45種
年末にインフルにかかり、39度の熱に伏しながら迎えた2025年のお正月。年始からむちゃくちゃ寒い(と感じる)日が続いて、外に出たくない-。もう使命感だけで、緑地公園駅に遅まき到着したのだけど、あれ?心なしか暖かい・・・。風があまりなくて、日が射して、意外に探鳥日和かも。久しぶりに小学生の参加者もまじえて、和やかな鳥行になりそうです。
とかって、皆さんにご挨拶している最中の駅前広場で、ハクセキレイがすぐ足元に飛来。いや、川はまだずっと下だよ・・・と向かうと、高川はキセキレイの独占状態でした。追っ払われたのか、それとも、ハクセキレイ得意の新境地開拓なのか?
公園入口から、ようやく枯れ葉の散った落葉樹の梢を探しますが、アオバトは見つからず。かわりに、ヒヨドリが梢からふらふらと飛び上がっては降りる行動を繰り返しています。これ、梢に沿って湧き上がるユスリカの蚊柱をフライキャッチしているのです。今日はやっぱり、実際に暖かいのでしょうね。
新宮池にさしかかると、カラスの妙な大騒ぎ。水面からはカルガモの連続鳴きと、立て続けにダミ声の応酬が聞こえます。オオタカがいるほどの決死な感じはないので、何だろう?と気になりつつも、目の前のゴイサギ、枝間のトモエガモ、水面でくつろぐミコアイサなど、いつもながら見どころ満載の新宮池を堪能します。
うづわ池に向かって歩き始めたところで、上空にハイタカが出現。さっきのカラス大騒ぎは、これだったのかな?高く舞い上がって、南へ飛去しました。つづいてうづわ池でもハイタカが出現、さっき飛んで行った方向とは逆なので、別の個体みたいです。お正月に2タカとは、なんだかおめでたい!
うづわ池は、今年はマガモもそこそこ入っています。アオコ由来の水質悪化が、相応に解消したのでしょうか。背後の林では、メジロがビワの花の蜜に集まっていました。
いつの間にかできていた斜面の踏み跡を通って、一段上の桜広場にショートカット。そして工事中の円形花壇の端でトイレ休憩です。が、参加者の皆さんが、「そこにジョウビタキがいる!」とヒートアップ。けど、目の前の木のはずなのに、私にはなぜか見えない・・・。焦り始めたころに、ようやくピョン!と飛び立ってくれて、わかりました。動き始めてからは、とまっていたネズミモチの実に、しきりに飛びついて採餌。急に人間の群れがやってきたので、警戒していたのだとしたら、申し訳ない。
後半戦、歩き始めると、取り壊されたレストハウス跡地の向かいの木立から、なんとなく微妙~なイカルの声がします。先月のイカルも無音だったし、いやぁ、久しぶり・・・と言いたいところでしたが、どうもその歌、ヘタ、じゃ、ないかな・・・?そのうちこのイカル、今度は周りの枝に止まったドバトを追い払い始めました。おいおい、スランプだからって、八つ当たりしたらいかんよ。こんなにイカリがあらわなイカルは、初めて見ました。だいたい小群でいることの多いイカルが、彼は1羽だけで、妙に納得するような、しかしちょっと可哀そうな気も。そのすぐ裏のカシ林の地面では、スズメとシジュウカラが、こちらは仲良く地面で餌をついばんでいました。どちらも気がつけば街中で営巣してるし、あまり人怖じしない、似たとこあるやん、な2種類。妙な一体感を醸していました。
菰ヶ池に着いて、本日は大当たり?のゴイサギをまた見ていると、隊列後方からの伝令「アオバトが止まっています!」確実に見たい人にはすぐ後ろへ戻ってもらいましたが、いや、その木、こちらからも見えてるし・・・と、別角度からの発見を一人粘ってみました。しかし、見えない。おとなしく後方へ戻ると、同じ木になんと3羽もいるのです。落ち残ったメタセコイアの葉陰に、だまし絵のように静かに納まっていました。さっきのジョウビタキから続くこのパターン。フットワークは大事、という教訓かな。
中池、若竹池は、いろいろな伝聞情報が絡み合って、すごい珍鳥がいるかも!と変な期待を抱きつつ臨んだのですが、思いのほか静かな岸辺に拍子抜け。そういえば水が引いていた昨冬が、とてもにぎやかだったのが思い出されます。
山ヶ池の白鳥橋からは、桟橋の周りの餌付け群を除いて、あまり水鳥の動きが見えません。それでも池沿いを上手へ進むと、餌付けになびかないヨシガモ、オカヨシガモ、それにコガモが、ようやく登場。餌付けにウハウハと食いつくヒドリガモ、オナガガモとは、あえて距離を保っているのでしょうか。後ろの林では、モズの雌、そして雄が、静かに地面の餌を探していました。
山ヶ池を過ぎたあたりで聞こえてきたのは、久しぶりに朗々としたイカルのさえずり。申し訳ないけれど、さっきのオンチで怒りっぽいイカル君とは全然違う歌いっぷりに、聞き惚れました。規模はわかりませんが、こちらはちゃんと群れでした。イカリの彼は、果たして無事に合流できたのでしょうか。
鐘が鳴る丘では、今日はよく見る、地面で餌を探すシジュウカラ、そしてシロハラ、ルリビタキの雌タイプもしっかり観察できました。この勢いで、噂のトラツグミも出てこないかと、小鳥の森を大周りしたのですが、やたらたくさんのシロハラが大騒ぎするばかりでした。端で鳴いているソウシチョウも追加して、本日45種類、まずまずの成果といえましょう。
ちなみにこの日の夕方、新宮池で粘っていた幅さんから、フクロウが出現した、との報をいただきました。探鳥会の結果には混ぜられませんが、朝のカラスたちの大騒ぎの原因は、どうやらコイツであったようです。残念なことにこの2日後、この個体と思われるフクロウの落鳥が確認されています。外傷はほぼなく、鳥インフルエンザの可能性もあるので、検査中とのこと。寒気するから、と布団でぬくぬくとはしていられない、鳥たちは厳しい自然界の住人なのです。