2024年6月探鳥会報告

服部緑地定例探鳥会 6月8日(土) 天候:晴れ 参加者:32名

出現種23種

 渡りの時期もおおかた過ぎ、ほとんど留鳥ばかりになる6月の服部緑地。渡り後半の波を外してしまった5月定例の鳥合わせでの、そんな次回予告にもかかわらず、30人超もの物好きな?!参加者がお集まり下さいました。この期に及んで、オオムシクイとか、アカショウビンとか、遅口の渡り鳥をなまじ願うのではなく、ここはひとつ、服部緑地をホームとして繁殖している、おなじみの留鳥たちの子育てをたっぷり観察することを、今回の目標に据えました。そうそう、今回初めてご参加の方もおられたので、先日開催された探鳥会リーダー交流会で紹介されていた「初心者マーク」を、実験的に運用してみました。

 さて子育て拝見ということで、公園までの緑道でさっそく遭遇したカラ類の混群から注目です。ヤマガラの家族群は先月に比べて足取りも軽く、雛もまだ、いくらかおねだりはするものの、自力探餌も始めている様子です。親だか幼鳥だかよくわからないコゲラ群も追従していきました。

 街路樹の向こう側のマンションの屋上?から、セグロセキレイの声が聞こえていたので、高川に降りてきてくれないかとの期待があったのですが、残念、河床は空っぽ。でしたが、護岸の隙間に生えているタイワンフウのひこばえ周りで、何やら採餌しているメジロをじっくり観察できました。公園広場に来てからハクセキレイの上空通過もあり、白黒セキレイの2種はとりあえず健在を確認。

 新宮池のアオサギの雛は、親かと見間違うほどに成長していましたが、巣の上で兄弟、隣人とだべっている様子。巣内に親の姿が見当たらないのは、餌場に出てくるように、それとなく促されているのかも。

 スズメが地面に数羽降りていましたが、雛連れ家族群は少なく、親鳥ばかりの群れも。今年も繁殖が不調だったのでしょうか。同じく地面を闊歩するムクドリの方は、もう頭の色味を見ないと親か雛か?区別しにくいほど、幼鳥も同等に餌を探して回っています。

 さて、留鳥の子育てを見るんだ、とか言いながらやって来たのは、旅鳥ポイントの子鹿橋。無欲で臨めば想定外の旅鳥に出会えるかも、なんて、実は下心に満ちた順路ではあったのですが、そんな都合のよい話もナシ。去年は遅ればせのサンコウチョウがいた、という実績はあるのですがね。尾根道の入り口の葉裏で、夢見心地な模様をしたアミメリンガを見つけられただけでも御の字かな。

 尾根道から出た葉陰には、嘴の中がまだ赤いハシブトガラスの雛たちが餌を待っています。エナガの家族群ともすれ違い、菰ヶ池の手前ではハシボソガラスの家族群。あちらもこちらも鳥たちの家族がオンパレードです。

 中池では着くなり岸辺から久々のダイサギが飛び立ちました。少し先に降りたのをスコープでよく見ると、水色の婚姻色から少し黄色に寄った、絶☆妙なエメラルドグリーンの目先。なかなかの眼福です。さらに、ご無沙汰のカワウが池中の倒木でお休み中。

 山ヶ池に2つあったバンの巣は、どちらも無事に雛が孵化していて、さっそく親の後ろについて、自力採餌を試みています。木陰の水辺では、キジバトやら、コゲラやら、普段あまり水浴びを目にしない鳥たちが次々と飛来しては水浴びを始めました。暑くなってきたからでしょうか?こりゃ面白い、と、これまたじっくりと観察。そろそろ時間が気になってきたので、歩き始めたあたりで「チィー!」と響いたのはカワセミの声!先月から声も姿もなく、物寂しく感じていたところでした。あわてて水辺に戻りましたが、葉陰からチラ見できた方が数名のうちに、飛び立ってしまったようです。

 少し早めに到着した小鳥の森で、今回も未出のキビタキの登場を、鳥合わせまで待ちました。今や服部緑地の樹林で繁殖する唯一の夏鳥、なのですが、5月に続いて一声も聞けず。とはいえ、前情報もあって、ここで粘れば見られる確信はあったのです。しかし現実は厳しく、なかなか出てきてはくれません。辛うじて巣立ち雛の声!が一声あったのを鳥合わせに加え、探鳥会はいったん終了しました。解散後にもう少し粘った方は雄、雌、雛の姿を見ることができたようです。キビタキ一家のちょっと遅れたお見送りで、2024年6月の定例探鳥会・家族編は、どんとはらい、でございます。