服部緑地定例探鳥会 5月10日(土) 天候:曇り 参加者:27名
出現種26種
どことなく肌寒さのあったGW連休も終わり、今朝は一転、少し重苦しい雲が残った、不穏な天気。渡りの鳥たちも「ちょっと今日は渡るのはやめて、緑地で羽休めしよう」と決め込んだり、するものかどうか・・・?集合場所では、すでにコルリだのサンコウチョウだの、直近情報が飛び交っています。よき出会いの期待が高まります。
駅前からの緑道の街路樹では、いたるところでスズメを見かけます。子育ての時期、蛋白源を求めて森の狩人と化したスズメたちの動きは、まるで知らない鳥のようで、翻弄されます。高川のセキレイ類は今回確認されず。キジバトとドバトが護岸上と河床の「縦並び」で見られたのと、シジュウカラが目を引きました。
すでに耳にした情報方面に時間をとるため、大きくなったアオサギの雛だけ確認してショートカットしようとした新宮池、その岸辺で「ガララララ、ガラララ」と聞きなれないしわがれ声。お、これは・・・?と、待ってみると、なじみのフレーズ「ギョギョシ、ギョギョシ・・・」に変わっていきました。そう、オオヨシキリ!事前情報にはなかった夏鳥との遭遇に、テンションも上がります。あっちとこっちと、2か所から聞こえました。幸先よし。この勢いで、うづわ池を横目にいなり山へ向かう途中で、今期ようやく聞けました、キビタキのさえずり。さすがの夏、さえずりの響き方が別格です。これならば、と、期待を高めてたどり着いた子鹿橋でしたが、残念ながら夏鳥の気配はありませんでした。そして、ここからの尾根道をはじめ、トイレ休憩を過ぎても、次なる渡りの鳥にはお目にかかれませんでした。



桜の広場では、うっすらとツグミ類の「チィーッ」という地鳴きが聞こえ、影を見た人もいるのですが、確認には至らず。刈り込まれた草地の起伏の向こうに、やけに小さな塊がもぞもぞしている?と思ったら、頭だけが地平から出たり入ったりしているムクドリ。熱心な採餌のあと、餌をくわえて飛び去るのが観察できました。巣にはもう雛がいるのでしょうね。その背後の林縁を跳ねるのは、今度は大きな黒い影、おお、ハシブトガラス。こちらも落ち葉の間を、歩きながら丹念に餌探ししています。普段は梢の高みから、見下すようにして獲物を探すことが多いブトにしては、ずいぶん堅実な探餌戦略、さながら突然勤勉に目覚めたガキ大将?
いつものトイレ休憩場所が点検中のようで、さらに先へ進みます。円形花壇の芝地で歩いて採餌しているのは、今度はハシボソガラス。先ほどのハシブトガラスと比べて、歩き方と餌のついばみ方が、板についているように見えます。しっかりと枝にとまったムクドリもいたので、スコープでじっくり観察。



原っぱを過ぎたあたりで、久々にキビタキのさえずりがまた聞こえて、これは渡りの個体かな、と聞き流しかけていた合間に、か細く聞こえた、「ゼニトリ、ゼニトリ・・・」は、メボソムシクイのさえずり!ちょっと戻って、皆で聞きました。よくまあ、こんな聞きなしを思いついたものだと感心しますが、一度そう聞いたらゼニトリにしか聞こえなくなる不思議。ようやく春の渡り時期の観察会らしい種類が追加です。
カモなど冬鳥が北へ帰ってしまい、サギ類もカワセミもどこかで繁殖中?、となると、急にさみしくなる菰ヶ池、中池は、ちょっと見るだけで通り過ぎようとしたとき、「タカのような鳥が飛んだ」という声。人家の影に隠れたという、その先に再び現れた姿は、チョウゲンボウでした!すぐに南の方へ消えて行きましたが、ならば、と、これも省略予定だった若竹池までの遠征を敢行しました。
ところが途中、蛇をつついているアオサギを発見!と思ったら、獲物はヘビでなくタウナギでした。すぐには呑み込めないらしく、何度もつついてはくわえて弱らせる攻撃を続け、こりゃちょっとPG12指定かな・・・という凄惨な場面でしたが、そのすぐ手前を歩いてきたのは、バン。目の前で繰り返されている刺突シーンを横目に、黙々と採餌。怖くないのか?!いや、その平静さが逆に怖いぞ?続きがどうなるのか、後ろ髪をひかれつつ、当初の目的を果たすべく若竹池に着くと、やったぜビンゴ。避雷針のてっぺんにとまるチョウゲンボウを再認できました。すぐに飛び立ってしまったので、早くに着けた方限定でしたが、何人かは見ていただけました。



とって返して、山ヶ池までの道中。歩道の向こうからよろよろと飛んできたスズメが、我々に気付いて車道の方へ・・・危ない!すんでのところで車をかわして対岸に降り着いたのは、巣立ったばかりの雛でした。この春の初見、無事でよかった。 山ヶ池も白鳥橋では水鳥が見られず、池奥のハス間でようやくバンが見られたほか、オオバンの鳴き声もあったようです。そのまま鐘が鳴る丘から小鳥の森までつるつると到着。最後のあがきで、情報にあった夏鳥が水場に出てくるのを待ちましたが、追加は叶わず、26種にて終了となりました。