服部緑地定例探鳥会 4月12日(土) 天候:晴 参加者:34名
出現種37種
すでにあちこちから、夏鳥の知らせが届いている4月。私がこの探鳥会を引き受けて3年目を迎える新年度となります。新米という言い訳は、そろそろ通用しませんね。これからは根っから不器用ってことで、引き続き、毎度バタつくことかと存じますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
さて、ツバメが飛びかう緑道、地面ではシジュウカラが採餌。高川はハクセキレイだけ。渓流へ帰って行ったであろうキセキレイはともかく、往年の留鳥だったセグロセキレイのポジションは、今やすっかりハクセキレイに置き替わってしまったようです。
新宮池にはハシビロガモが残っていたほか、少し夏羽になったカンムリカイツブリも。頭上のマツでは、アオサギが営巣中ですが、「ガッガッガッ・・・」という連続音は雛の声。早い巣では、もう孵化しているようです。目立たなくなったゴイサギは、どこか違うコロニーで繁殖しているのかも。成鳥は見当たりません。やぶの中で背を向けたゴイサギの幼鳥を探すのは、ちょっとしただまし絵パズルです。



野外音楽堂のあたりで、後方のみなさんが空を見上げ、何かと思ったら、ダイサギの編隊!おそらく、夏に渡来して繁殖する亜種チュウダイサギでしょう。青空を渡る白い翼、なんて美しい!! この調子で、夏鳥も渡来していることを期待して、久しぶりに、いなり山へ遠足です。途中、竹林の中ほどにキジバトが静かに止まっていて、ちょっとした日本画のようなたたずまいでした。
子鹿橋に着くとしかし、夏鳥の気配なし。さらに、いなり山の西面に造成地ができているし、何やら不穏です。下りの尾根道も、今日は静かでした。コナラも芽出したばかりで、ちょっと早かったかも。登り返した上では、シロハラを写すカメラマンさん。この冬はシロハラ、とても多い印象でした。て、夏鳥どころか冬鳥ですやん!よい具合に咲いている桜の下には、ムクドリのつがいが採餌にいそしんでいます。



円形花壇のトイレ休憩中に、イカルが樹上で鳴き始めました。こちらはむしろ、この冬はとても少ない印象、そしてケンカっ早かったり、地上にいたりと、少し変な出方をしていました。この日見られた小群も、低い植え込みでエナガと一緒に?餌を探しているようで、どことなくイカルの既成概念を覆すような、不思議な連中でした。
カシ林の林床では、またしても地上のシジュウカラ。スズメよろしく静かに餌探しをしているのかと思いきや、なんだか1か所でアクティブに動いています。どうやら、巣材の収集中。くちばしにたくさんの草の枯れ葉をくわえて行きました。



多くの人でにぎわう原っぱ脇の立木には、おこぼれを期待してか、ハシブトガラスがたむろしています。菰ヶ池の傍のハシボソガラスの巣も、順調そう。中池では冬鳥の亜種オオダイサギがいたのと、まだコガモが残っていました。さらに対岸にはホシハジロも。近くで見たかったけど、時間の都合上、若竹池方面は省略して山ヶ池に向かいます。白鳥橋では、まだ残っていたヒドリガモやオオバン、それに、2羽のカンムリカイツブリ。こちらは、新宮池の個体よりも見事な夏羽になっています。ひょっとすると、このまま・・・、を、少し期待してしまいますが、果たして?



と、そうこうしていると、特ダネ情報が。鐘が鳴る丘にコマドリがいます、て!思い返せば今日、ツバメと上空通過のチュウダイサギ以外に、期待した夏鳥が見れていません。ここはぜひとも、お目にかかりたいところ。ハス間に残っているかもしれない?ヨシガモ、オカヨシガモをつぶさに探すのはあきらめて、先へ進みます。余裕があればじっくり見たかったバンやオオダイサギ、コガモも、横目で済ませます。



やってきた鐘の鳴る丘、水場の前にはカメラマンさんの人影が。「今、出てるよ」とのお誘いに、忍び足で近づくと、もう、見えています、コマドリ。いくぶん遠巻きに、じっくり観察することができました。オレンジ色が鮮やか。そして、姿勢がよいです!基本的にはほとんど藪から出てこない鳥なので、こんな機会は滅多にありません。有難さに、思わず合掌。大勢で押しかけて、お騒がせいたしました。



とまあ、探鳥会的にはちょっと脱線ではありましたが、今回貴重な夏鳥が加わって、37種類となりました。ついでに日本鳥類目録第8版に準じる変更で作り直したチェックリストの、基本種たるカワウ、カワラヒワの落丁や、日付の間違いも見つかって、いろいろ直した改訂版を次回以降、ご用意いたしますので、今回参加の皆さんには、ぜひまたご参加願えますと幸いです。