2024年12月探鳥会報告

服部緑地定例探鳥会 12月14日(土) 天候:曇り 参加者:21名

出現種50種

 午前中の雨予報があって、実施をどうしようか検討しましたが、9時には快方に向かう予報を信じて、ホームページに「予定通り実施」を告知しました。しかし、朝からなんと空気の冷たいこと!やっぱり中止にして部屋でぬくぬくしていればよかった・・・という後悔も先には立たず。予報通りの出際の雨で、直前キャンセルする人も続出。しかし一方、飛び入りで来られた方もいて、参加者はどうにか21名をキープしました。
 駅前から歩き始めた緑道では、マンションの谷間に響く、時ならぬ小鳥のさえずり。両側のマンションの屋上で、イソヒヨドリがさえずり合戦を展開していたのです。1羽が緑道内まで、パラシュートのごとく舞い降りてきたと思えば、その姿は地味な雌でした。雌もさえずるのですね。本家ヒヨドリが相変わらず樹冠で大騒ぎしているのをよそに、陸橋の路面に消えていきました。のっけから見ごたえのある出会い。余韻の中、降りてきた高川は、今日はセグロセキレイとキセキレイのみでした。ハクセキレイは、またそのうち。

 新宮池は、いよいよ冬鳥全開のシーズンです。岸寄りにはハシビロガモ、カルガモ、オオバン、そして、すっと現れてはじきに引っ込んでしまった、トモエガモ2羽。待望のミコアイサは雄6、雌2、池の真ん中で羽づくろいを始めて、はためく冠羽の、なんと神々しいこと・・・。ブッシュで休むゴイサギ、飛び交うカワセミ、眼前で潜るカイツブリ、と見どころが多すぎて、てんやわんや。1日ここにいても楽しめそうでしたが、後ろ髪を振り切って、うづわ池へ向かいます。

 たどり着いたうづわ池はしかし、やっぱり濁った水の、静かな水面。遠くの岸辺で、ホシハジロと、アラカシの木陰にマガモがいくつかいるな、というぐらいでした。樹上で続いているキュルキュル声のメジロは、この後も何度か耳にしました。そして前回、サービス精神旺盛だったジョウビタキが、今回も登場!・・・したのですが、この日はなんだか動きがない。見えよいところでじーっとしてくれて、うれしいような、けどちょっと心配にもなります。その後、ふっと我に返ったように、道路を横切ってやぶの中に消えて行ったので、ま、大丈夫なのでしょうか。

 円形花壇では、遠くの枝先に、!いた、かな?服部緑地の冬枯れを彩る、アオバト。ただ、今年はまだぜんぜん落葉が進んでいないので、あまり目立ちません。それも、見ているうちに、なんだかこれ、キジバト?どこかで入れ替わったのか、実は最初からキジバトだったのか、微妙なほどに遠方なのです。
 菰ヶ池も今日の雨予報からか釣り人が少なく、カモたちが岸寄りまで来ていました。ヤマガラをはじめカラ類が群がるメタセコイアの樹上から、か細く聞こえた聞き覚えのある声は、なんとリュウキュウサンショウクイ!姿が見えると、少なくとも2羽はいるようです。いよいよ大阪の平野部でも、越冬を始めるのかもしれません。
 中池へ出ると、たくさんのコガモが見られるかと思ったら、多かったのはカワウでした。おまけに対岸の常緑樹はカワウの糞で白くなり、どうやらここにねぐらが形成され始めた様子です。人家のすぐそばなので、問題にならなければよいのですが。若竹池は少数のキンクロハジロがいたのみでしたが、中池側の岸辺で、大きな魚を捕らえたカワセミを発見。枝に何度も打ち付けてから飲み込むまで、至近距離でたっぷりと観察できました。

 公園に戻って山ヶ池の白鳥橋では、ずいぶんと数を増したヒドリガモとオナガガモ、オオバンに、これまでどこにいたのかバンまで、餌を求めて橋の下を行ったり来たり(僕らはやんないよ)。ようやく葉を落としたハスの茎間には、水面を縫って泳ぐオカヨシガモやヨシガモが、見え隠れするようになりました。山ヶ池を過ぎたあたりで静かに枯れ木の梢に止まっている小鳥は、イカルの小群でした。いつもは口笛のようなさえずりで、その存在に気付くのですが、なぜか今日は一声も聞いていません。どうしたの?

 鐘が鳴る丘を抜けたところで、後方からの緊急連絡。アオバトがたくさんいたようです。急ぎ戻ると、落葉樹の樹冠に、今度こそ正真正銘、アオバトが6羽。合計で20羽はいたとのことでしたが、多くは見えにくいマツの葉陰に入ったとのことです。
 小鳥の森に到着したのは12時半ごろ。盛りだくさんの鳥果ですっかり時間をオーバーしてしまいましたが、水場にたくさんのソウシチョウが入ったり、ルリビタキが登場したり、と最後のダメ押しが何度も続き、キリがないのでいったん締めの鳥合わせを強行。なんと、50種類の大台に到達していました。雨予報と寒風の中でしたが、実施した甲斐がありました。