2024年11月探鳥会報告

服部緑地定例探鳥会 11月9日(土) 天候:晴れ 参加者:26名

出現種41種

 11月、すっかり冷え込みました。冬鳥もどんどん渡来し始め、見ごたえのある鳥行が期待できそう。駅前につながる緑道からして、梢で渡来したばかりのヒヨドリの大騒ぎが聞こえます。早くも赤く実を色づかせたサンゴジュを物色するのはメジロ。そして降り着いた高川には、ようやくセグロ・ハク・キ、3種のセキレイが集結!

 新宮池にもカモの姿がちらほら。岸辺のハシビロガモ小群に、沖合のキンクロハジロ、まだまだ数は少なめですが、ともかくも「おかえり!」です。その合間、ひときわ活発だったのがカワセミ。しばらくは飛び交う声ばかりが響いていましたが、池の上でホバリングをしていたり、見える場所に止まっていることもあって、水色のきらめきを久々に堪能しました。

 カワセミはうづわ池でも、ばっちり観察できました。対岸の岸辺や、丸い浮きの上にとまってくれて、大活躍。そしてこちらにはマガモが数羽。その手前に1羽、のっぺりした小顔は、オナガガモのようです。どこからともなく響くのはジョウビタキの声。去年にならえば、今どきはまだ梢で縄張るばかりで降りて来ないかもな、とちょっと引き気味でいると、今年はきれいなオスが道端の低い枝にさっそうと現れて、おじぎを連発してくれます。じーっくり観察できました。

 池めぐりに注力したいこれからの時期は、子鹿橋からの尾根道は省略して、手前で円形花壇へ舵を切ります。居残ったヒタキ類でもいないものか、途中の桜広場を探しましたが、もぬけの殻。それでも円形花壇に出てくると、高鳴くモズの姿がありました。

 この日は花壇の周りに、たくさんのキッチンカーがずらり駐車しています。何かのイベントでしょうか?その合間をそそくさと抜けると、梅林のわきで2羽のカラスを発見。1羽、地上を歩いて餌を探しているのはハシボソガラスでした。対して、すぐに樹上に飛び上がって下を見おろしているのはハシブトガラス。ハシボソガラスが何かの餌を見つけるのを待って、横取りでも企んでいるのでしょうか。両種の生きざまの違いのよい対比でした。

 タープを張る家族連れが増えてきた谷あいの原っぱでは、アオジの声を確認。渡来して間もないこの時期、越冬態勢が落ち着くまでは、姿を見るのは難しいかもしれません。と、そこで「タカ?!」の声。見ると、上空を通過するのは、なんだ、トビでした。が、実は服部緑地では、ひょっとするとタカより珍しい鳥なんですよね。続いて、さっきまで愛想の良かったカワセミの、ある種「聖地」ともいえる菰ヶ池に到着。今日の活性なら、ここでさらに近距離で姿を拝めるかも、と期待したのですが、こちらはお留守だったようで。

 そして、道路を渡って中池です。先月はよい感じに水が引いていて、天気の悪い日にタシギの目撃情報があるなど、本日のメインディッシュと位置付けていたのですが、先日の雨のせいか水かさが増し、泥地はかなり狭くなっていました。心なしかコガモの数も先月より少なめです。それでも、池の脇の住宅街で、こちらは久しぶり、イソヒヨドリがいたようです。さらに、池の対岸にゴイサギの幼鳥、通称ホシゴイの姿が遠望できました。これはぜひ、とばかり、しばらく省略続きだった若竹池と接する道路まで回り込むと、岸辺にたたずむホシゴイが、近い距離でしっかり観察できました。若竹池の方は去年、ミコアイサやキンクロハジロでにぎわっていたのですが、この日の時点では水面に鳥影なしでした。

 山ヶ池の白鳥橋の下手では、ヒドリガモの群れとカルガモ、それにホシハジロ1羽が観察できました。橋より上手のハスの葉はまだかなり多く、合間を探しますがなかなかカモの姿は見られません。池べりの歩道から見ていくと、ハスの葉の合間にオカヨシガモはいたそうです。池の流入部にはマガモもいましたが、先月見かけたヨシガモは、結局出てきてはくれませんでした。ハスの葉がいま少し、透けてほしいところです。

 鐘の鳴る丘でもカラ類の声はちらほら聞こえましたが、そこから降りてきた道端の1本のポプラに、エナガがあちこちから集まって来ました。何か餌でもあるのでしょうか?わやわやと双眼鏡を構える一団に、周りでバーベキューしている家族連れも「何かいるんですか?」と興味を持ってくれました。じきに「チーチーチー!」と移動の掛け声とともにエナガが20羽前後?メジロやシジュウカラ含め、一斉に飛び立ってくれて、うん、ちょっといい感じ。

 小鳥の森で待ち受けていたのはヤマガラ。人を怖がらなくなっていて、頭にとまられた方もいました。鳥合わせをして解散の後、水場にクロジが出現。終了後ではありましたが、参加者のうち結構多くの人が見られたので、ちょっと反則ですが本日の種数に加えておきますね。