服部緑地定例探鳥会 9月9日(土) 天候:晴れ 参加者:17名
出現種28種
暑かったこの夏。それが、一段落したかのような、久々にさわやかな早朝でした。7月、8月の2回の休止を経て、心機一転の9月定例探鳥会の始まりです。定員30名と気張ってはみましたが、いろいろあって12名。コンパクトで動きやすいかもです。待合時間に、緑地をフィールドにされている参加者の方から、池の一つで水位が減っていて、チドリが来ていたと教えていただきました。鳥果への期待が膨らみます。
ところが駅からの緑道は妙に静かで、コオロギの声ばかりが響く、わびさびの風情です。仕方ないので鳴く虫を解説しながら進む中、当地では冬鳥のキセキレイが上空を通過する声。高川で秋の使者の姿が見られることを期待したのですが、いたのは年中みられるハクセキレイでした。うずわ池はプランクトンが湧いているのか、青汁状態。カイツブリはこの不透明の水中で、果たして餌を見つけられるのでしょうか?と、ここで頭上から、「ピリリリッ」とサンショウクイの声!上空を通過しただけではありますが、はっきりと聞こえ、渡りの動きを皆で感じることができました。
服部緑地でいちばん小高い尾根のコナラ林を進みますと、事件現場に遭遇!地面に散乱するのは、キジバトの羽毛です。おそらくオオタカの仕業と思われますが、犯人はすでに逃走後で見当たりません。そうこうしているうちにやってきたシジュウカラ、メジロの群れ、そしてその中にいました!ムシクイ類です。間延びした胴体から、メボソムシクイ上種とみられますが、鳴き声もなく、種類までは不明のままで飛去してしまいました。続いて飛来したのはキビタキ。さあ、秋らしくなってきました。が、いずれも動きは細かくて、見られない方もいたはず。
公園を普段と逆回転して、次に山ヶ池へ。うっそうと茂った蓮の葉の合間では、カルガモが2羽で採餌していました。そのとき、背後の林床ではムクドリの小群が密かに歩きながら採餌中。いや、いたのかよ、てほど、とても静かです、あのムクドリが。
そして、いよいよお楽しみ、落水情報のあった中池へ向かいます。まず目についたのは、残った水面でまくまくしている4羽のカモ、なんと冬の使者コガモでした。秋めいてきましたね。ただ、お約束だったシギチドリは、残念!を覚悟しかけた頃、「これ、何かいます」と教えてもらった液晶モニターの奥に、おお、小ぃさいけどイソシギです。池の対岸は、思いのほか遠いようです。双眼鏡でも見失うことしばしば。お、再発見、ずいぶん近くにきた?と思った影は、なんとケリ。ハト大のこの鳥が、いるのに気が付かない距離感を再認しました。とか思っていると、そこの地面に、という声。チドリ某が座り込んでいたではありませんか!いやもう、全く気が付かなくて失礼しましたと謝りたいぐらい真正面に、空き缶と並んで、2羽もいました。座り込んだチドリは、かくも見つけるのが難しいものです。くわえて、見分けることも実は難題。当初、ぼんやりした顔つきからコチドリの幼鳥かと思っていましたが、立ち上がると、なんだかスラリと長い脚。さらに見ていると、羽ばたいた翼にははっきりと白帯があり、イカルチドリとわかりました。動き出すまで粘らないと間違うところでした。そうなるとコガモ以外は全部、季節感のない留鳥ってことになってしまうのですが、けっこうな長時間の日差しの下での探鳥に、うだるようなことがなかったのは、秋めいた風のおかげといえましょう。
最後に遭遇したカラ類の群れにはコサメビタキがご同伴。今度は低い枝にじっと止まってくれて、みんなで見ることができました。というわけで、しっかりと伸びしろを回収できた9月定例でした。この勢いで、渡り最盛が期待される10月にGoです!