「万博公園」定例探鳥会のお誘い

(9月2日更新):9月の定例探鳥会はお休みです。番外編の千里の鳥の案内

昭和45(1970)年に千里丘陵で開催された日本万国博覧会から満45年、未来への発展を夢見たパビリオン跡地に植えられた樹木が生長し、人にも野鳥にも安らぎを与えてくれる緑豊かなオアシスとなりました。

万博公園は大阪近郊の平野部で一番大きな緑の塊、しかも和洋折衷のさまざまな樹木が四季折々に花を咲かせ実をつけることから、いろんな鳥が集まっています。

9月11日(土)万博公園定例探鳥会はお休みです。

千里の鳥・万博の鳥(第106回)「バンの幼鳥」(2021年9月)をお楽しみください

 バンはクイナ科の仲間、吹田市内では留鳥(又は夏鳥)として、あちこちの池に住んでいるので、繁殖・子育てを身近に観察できる鳥の一種である。
 バンはユーラシア大陸、アフリカ、南北アメリカなど世界中の熱帯・温帯域に広く分布している。日本でも全国で繁殖しているが、北海道・東北地方では夏鳥、関東以南では留鳥である。池や川・湿地・蓮田・水田など草の生えた水辺に住み、植物の葉や昆虫、貝など小動物を食べている。
バンは全長32㎝とほぼキジバト大の鳥、成鳥は全身がほぼ黒色で、脇腹に白い斑が目立つ。くちばしの先端は黄色く、付け根から額は赤色、足は黄緑色で付け根が赤色など、見た目は地味な鳥であるが、所どころに明るく鮮やかな色の部分がある。
 バンは池のヨシやガマの中に作った巣に卵を産み、子を育てる。2回目の子育てには、最初に生まれて独り立ちした幼鳥が、子育てを手伝ういわゆる「ヘルパー」になることが知られている。
 今月の写真は古江台「はぎのき公園・上池」で生まれたバンの幼鳥、全体が淡褐色で顔の周りは白っぽい。この子がヘルパーを経験したかどうかわかっていないが、バンの特徴である長い足指で体重を支え、水面に広がったスイレンの上を歩く特技を披露している。
 「カモの水かき」という諺は、水面で気楽そうに泳ぐカモが、水面下では水かきを絶えず動かしているとして、「人に知られない苦労がある」ことのたとえとして使われている。一方バンは足指に水かきがないため、全身を使って泳いでおり、波紋が周りに大きく広がる。「カモの水かき」の小さな波紋と違い、バンは目に見えるほど、泳ぎに苦労をしていることがわかる。

 このバンの漢字名は鷭、昔から水田に多く住んでいたことから、田んぼの番をしている鳥として名付けられたようである。
 さてコロナ禍、緊急事態宣言が発令され、9月12日までを予定されているが、今のところ宣言解除には程遠い状況にある。
 日本野鳥の会大阪支部、吹田野鳥の会とも9月までは探鳥会中止を決めているが、今の状況を見ると10月も中止を継続せざるを得ないと思っている。
 9月に入って暑さは和らいでいるものの、熱中症対策を十分にした上で、密にならないご自分のフィールドで、身近な鳥たちや、それを育んでいる身近な自然を、 「一人ウォッチング」で楽しんでくださるように。

 

**** 写真 ****
種 名:バンの幼鳥
撮影日:2021年8月10日
場 所:吹田市古江台
撮 影:有賀憲介

 

 

「万博公園」
定例探鳥会(第2土曜)

担当ボランティア

担当:
平 軍二 他

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