むくどり通信293号

特集 大阪の夏鳥たちの今 ─夏鳥を観察しよう─ 

特集記事

春、南の越冬地から夏鳥たちが海を越えて日本に渡ってきます。大阪にも子育てのために多くの夏鳥が飛来します。
大阪の水辺を代表する夏鳥はオオヨシキリ。ヨシ原などで「ギョシ、ギョシ、ケケシ・・・」と大声でさえずり、存在感のある鳥です。
水辺の夏鳥としては、他にコアジサシやヨシゴイ、ササゴイ、アマサギなども代表的な種ですが、年々観察できる場所がなくなりつつあります。かつて夏に湾岸部の埋立地に渡来し繁殖していたツバメチドリは、近年は繁殖適地がなく通過鳥となってしまいました。他の鳥たちも繁殖地が失われれば、夏鳥でなく通過するだけの鳥となってしまう恐れがあります。
  一方、大阪平野を囲む丘陵地から山地には、ヨタカ、ホトトギス、ツツドリ、ミゾゴイ、ハチクマ、サシバ、アオバズク、サンショウクイ、サンコウチョウ、ヤブサメ、センダイムシクイ、クロツグミ、コサメビタキ、オオルリ、キビタキなどが渡ってきます。山の小鳥は姿を見つけることは難しいですが、それぞれのさえずりに特徴があるので、声に耳を傾けるだけでも楽しめます。ミゾゴイやハチクマ、サシバ、アオバズクなどの鳥は府内での分布も限られ、元々数の多くない種であり、府内での絶滅の恐れも大きい鳥です。
 他に忘れてはいけない夏鳥は、ツバメやコシアカツバメ、私たちの暮らす都市部でも繁殖の様子などを観察することができます。
人の暮しと共にある、ツバメたちの子育てを見守りましょう。
初夏のこの季節が夏鳥観察のベストシーズンです。
一方、夏鳥に限らず鳥たちにとって繁殖期は最も重要な時期です。
繁殖行動への悪影響を防ぐため、巣を捜さないこと、巣を見つけても近づかないこと、営巣や子育て中の撮影や観察を行わないことを徹底しましょう。
夏鳥たちが子育てに成功し、来年もまた同じフィールドに戻ってきてくれる、そういった場所が増えて、夏鳥たちがもっと数を増やすことができるよう、夏鳥たちのおかれた現状にも思いを寄せていただければと思います。

目次

2 特集 大阪の夏鳥たちの今 ─夏鳥を観察しよう─
3 身近な夏鳥 ツバメ
6 大阪の夏鳥たちの今 
7 夏鳥か通過鳥か境界線上の鳥たち
8 夏鳥観察におすすめの探鳥地
9 身近な鳥から鳥類学 第82回 大阪の元夏鳥は今
10 バードライフ・インターナショナルStuart Butchart博士との交流 
11 小山慎司の日本列島鳥見旅 第32回
12 カラス、語る 新米バーダーの非日常 第4回  
13 かもめとコーヒー・今日のお客さま 第23回
14 探鳥会報告
17 研究ダイアリー 
18 鳥信 エリマキシギ、チョウセンウグイス他
22 幹事会報告 / 保護活動
23 次号予告 / 編集後記
24 イベント情報 / 定時総会、探鳥会リーダー養成研修会他