カムバックチュウヒプロジェクト

チュウヒの生息(繁殖)環境の保全

1、堺7-3区のチュウヒの繁殖状況の経緯

2005年
堺第7-3区の埋め立地で同年6月チュウヒの調査を開始し、5羽のチュウヒを目撃した内、2~3つがいの繁殖の可能性が推察された。
2006年
7-3区で、チュウヒ 2つがいが営巣し、1巣から1羽の巣立ちを確認。
2007年
7-3区でチュウヒ2羽の巣立ちを確認。
2009年
7-3区でチュウヒ1羽の巣立ちを確認。
2010年
以降7-3区でチュウヒの繁殖が確認されていないことは、繁殖地周辺の環境が悪化していることが考えられる。

2、堺7-3区のチュウヒとは

堺第7-3区の産業廃棄物最終処分地では、チュウヒ(環境省絶滅危惧ⅠB類)の調査を2005年より開始し、2006年以降2009年まで3回繁殖が確認され、4羽のヒナが巣立っています。

これは国内的にも数少ない事例として注目されています。しかし、2010年以降繁殖していません。

営巣期における国内の繁殖つがい数は約90つがい(環境省2014、2015)総個体数は、約300~450羽(環境省2014)とされています。(引用文献:「チュウヒの保護の進め方」平成28年6月環境省 自然環境局 野生生物課)

3、堺7-3区の現状と課題

堺第7-3区が1974年に埋め立てが始められて以来42年の年月が経過し、自然植生も草原から低木・中高木へと遷移が進行中です。

チュウヒは本来、広い草原やヨシ原など湿地(ため池)環境に生息(営巣)する猛禽類です。従って、植物遷移による森林化が進まないように定期的に樹木の伐採やヨシ原の刈り取りなど草地環境と湿地環境を維持管理することが重要な課題になります。

チュウヒラインという提案があります。かっての繁殖地の営巣中心域から半径300メートルには植樹をしないという多様な主体の共有事項のことです。

4、活動の目的

堺第7-3区プロジェクトチームは、チュウヒを頂点にした、草地湿地の生態系を維持創出させることを目的に保全活動を実施していきます。

「堺第7-3区二次処分地」は、現在大阪府が産業廃棄物最終処分地として管理しています。

5、チュウヒが「種の保存法」の対象種に指定( 野鳥誌2018年2・3月号)

2017年9月21日に施行された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」により、「種の保存法」の国内希少野生動植物種にチュウヒ、ヘラシギ、シマアオジが追加された。

チュウヒは、国内繁殖個体数が90つがい程度と著しくすくないうえに、個体数が近年減少傾向にある。また、チュウヒが「種の保存法」の対象になったことで、国がその種の保存のための総合的な施策を策定・実施し、チュウヒの繁殖地がある土地の所有・占有者は、その土地の利用にあたり、チュウヒの保護に留意しなければならなくなる。

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