むくどり通信290号

特集 堺第7-3区の野鳥 過去・現在・未来

特集記事

堺第7-3区は、およそ50年前から30年にわたり産業廃棄物処理のために広大な海域が埋め立てられてできた場所です。 
その広さは約280haに及びます。堺第7-3区は、埋め立ての進行の過程で、さまざまな環境が形成され、環境に応じた多くの野鳥が生息してきました。2006年には大阪府内で初めてのチュウヒ(環境省:絶滅危惧ⅠB類)の繁殖が確認されるなど、湿地や草地環境を好む野鳥にとって重要な生息場所として機能してきました。
現在、一次処分地は「みなと堺グリーンひろば」として開放されていて、二次処分地について は立入制限区域となっています。二次処分地では約20年前(2004年)から「共生の森」として市民参加の森づくりが行われてきました。又、2011年には共生の森に隣接してメガソーラー事業が稼働するなど、大きな環境の変化がありました。2024年には共生の森エリア(湿地や草地を含む約100ha)が「自然共生サイト」に指定され、今後、当地が生物多様性保全の拠点として機能していくことが期待されます。
特集では、これまでの当地の自然の変遷や野鳥の生息状況の変化などに触れ、当地を再び水鳥などの一大渡来地とするため、未来にどのような環境を残すのか、今後どういった取り組みが求められるのかなどを考えたいと思います。

contents

2 特集 堺第7-3区の野鳥 過去・現在・未来
3 堺第7-3区で見られる野鳥
4 堺第7-3区の環境の推移と野鳥生息状況の変化
5 堺第7-3区の野鳥 過去から現在 
6 堺第7-3区でのネイチャーポジティブの実現を
7 共生の森の未来 / 堺市野鳥観察小屋を初来訪
8 大阪湾岸ネイチャーポジティブ国際シンポジウム報告
9 身近な鳥から鳥類学 第79回 カワウが繁殖をはじめる季節
10 カラス、語る 新米バーダーの非日常 第1回
11 かもめコーヒー・今日のお客さん 第20回 
12 小山慎司の日本列島鳥見旅 第29回(番外編)
14 探鳥会報告
17 研究ダイアリー 
18 鳥信 オオヨシゴイ、ワライカモメ、夢洲の野鳥他
22 幹事会報告/納涼野鳥まつり報告/リーダーズフォーラム報告
23 次号予告 / 編集後記
24 ガンカモ調査員大募集 カモ類識別講座の案内