鶴見緑地定例探鳥会の報告:平成21年度(2009)上半期分

6月20日

ひと月前に植えられた稲はすくすくと育って、鳥たちの姿を隠すまでになってきた。畦道を歩くバンの赤い額板が見え隠れして美しい。梅雨とはいえ好天続きでツバメも元気だ。チョウゲンボウは幼鳥が1羽と、それを見守るように♀1羽が屋根の上に止まって動かなかった。此の周辺で繁殖した可能性もあるが、断定はできない。

5月16日

空模様を気にしながらのスタートとなった。遠くの梢からカワラヒワの元気な声が聞こえてきた。田圃には水が引かれて耕耘機が動き回っている。その傍らをケリのヒナが2羽右往左往していた。その隣の蓮田では黒い綿毛のバンのヒナが遠くに見え隠れしていた。チョウゲンボウは緑地の建物を住処にしている様子だ。どうやら若いオスらしい。雨はなんとか持ちこたえてくれて、曇り空を低く飛び交うツバメの姿が印象に残った一日だった。

4月18日

朝、自転車で集合場所へ向かう途中、アオジの囀りを聞いた。今日も暖かくなりそうだ。田圃ではケリが抱卵中らしく他の1羽が少し離れた所で見張っていた。蓮田のコガモは一層美しくなり、翼鏡が眩しいほどだ。上空を飛び交うツバメの姿も多くなってきた。公園のコロニーで孵化したアオサギはずいぶん大きくなり、ハシボソガラスにもヒナが生まれた様子だ。夏鳥たちの渡りは例年に比べて1週間程度早く、キビタキ・オオルリ・ムシクイたちでとても賑わっていた。しかし、この陽気にもかかわらず鳥たちの歌声はほとんど耳にすることがなかった。毎年4月の探鳥会に合わせるように咲き誇っていたチューリップも、今年は盛りを過ぎていた。

3月21日

ぐっと暖かくなったこの一週間、今日も好天に恵まれた。蓮田ではコガモの鳴き声がしきりだ。公園入り口の並木ではハシボソガラスの営巣が始まった。池畔のアオサギのコロニーは益々賑わいを増してきた。中にはヒナらしい姿が見え隠れする巣もあった。上空をツバメが2羽旋回し今季初認となった。アトリのオスは真っ黒い頭に変身し、メジロの美声は少し途切れがちに聞こえてきた。今日も桜や桃が美しく咲いていたけれど、鶴見緑地が花で埋め尽くされるのはこれからだ。

2月21日

北風が強いという予報に反して心地よい冬の陽射しの中、いつもの田圃へ向かう途中チョウゲンボウがゆったりと羽ばたいた。蓮田は水かさがいつもより多いようだ。立ち枯れの蓮にまぎれて、コガモやハシビロガモが美しい。公園の林では残り少なくなったアキニレの実をカワラヒワやアトリの群れが一心についばんでいた。シメは私達の視線などお構いなしに、落ち葉に隠れた餌を探すのに忙しい。アオサギは早くも卵を抱き始めたのだろうか、巣の中に座って動かなかった。今日はいつものジョウビタキには会えず、アオジは黄色が一層鮮やかになってきた。鳥達の春は着実に動いているようだ。

1月17日

しばらく厳しい寒さが続いたけれど、今年最初の探鳥会は穏やかな好天に恵まれた。集合場所の地下鉄駅前はメジロの鳴き声で賑やかだった。蓮田へ向かう途中、ツグミやムクドリの小さな群れが幾度も飛び交った。ケリは畦道の傍らで日光浴を楽しんでいる様子だ。蓮田にはコガモが集まっていて、オスの美しい羽色が印象深かった。公園内のアキニレは実が豊作とはいえないけれど、カワラヒワの群れが一心についばんでおり、その中にアトリの姿も確認できた。シジュウカラの声は心なしか力強く聞こえてくる。大池のカワウは繁殖羽が一層鮮やかになってきた。午後にはチョウゲンボウが上空を舞い、新春にふさわしい鳥日和だった。