鶴見緑地定例探鳥会の報告:平成20年度(2008)上半期分

6月21日

昨夜来の雨に加えて今日も終日雨の予報にもかかわらず、駅前にはリーダーを含めて7名が集まった。出発する頃には雲の切れ間も見えてきた。いつもの田圃は田植えも終わり、蓮田は一面に蓮の葉で覆われていた。その隙間にはカルガモの母親が2羽のヒナに寄り添っている姿があり、既に泳げるであろうヒナたちは、あたりを見回しながらじっとしていた。一方、園内はムクドリの親子であふれており、餌をねだるヒナや自分で餌を採るヒナなど、とてもほほえましかった。水辺や林の切れ間にはトンボも飛びはじめた。2日前に佐々木・前副支部長の訃報が届きました。鶴見緑地が定例探鳥地になったのも、今日のように豊かな公園になったのも、佐々木さんの尽力があったからこそです。今日は雨雲を押しやって、きっと私達と一緒に歩いていただいたのだと思います。

5月19日

抜けるような青空のもと、先ずはいつもの蓮田へ向かう。まだ水が引かれていない田圃にケリが見え隠れしている。池のようになった蓮田ではバンが2組営巣しており他のペアもあちこちでディスプレイに忙しい。緑地のアオサギは巣立ちが進んで、公園内の水辺に幼鳥が佇んでいる姿を各所でみかけた。近くを通り過ぎてもゆっくりと移動するだけで、望遠鏡で顔のアップを観察することもできた。林の中からはシジュウカラの幼鳥がぎこちない囀りを聞かせてくれ、春には珍しくコサメビタキがやって来た。メボソムシクイは例年よりも遅い到着だ。木から木へと何羽か飛び交い、コメボソムシクイの声も聞こえてきた。

4月19日

曇り空を見上げながら、いつもの蓮田へと向かう。ケリは鳴き声ばかりで姿が見えない。バンはしきりにディスプレイを試みるが、なかなかメスのハートをつかめずにいる。園内の並木ではハシボソガラスが営巣を始めた。例年に比べると、かなり遅いようだ。一方アオサギのコロニーは、ヒナたちが順調に育っている様子で、大きな巣からボサボサ頭が幾つも伸びているのを、池の対岸から観察できた。そして驚いたことに、鶴見新山の麓でシメの小群が飛び交っていた。渡って行く途中なのだろう。とても圧巻だった。1991年にスタートした鶴見緑地の探鳥会も今日で200回を迎えた。野鳥の記録は当初とは比較にならない程に増えたけれど、明らかに鶴見区本来の鳥層から一般的な都市公園の鳥層へと変化してきた。この間の緑地周辺の都市化の波は目を見張るものがあります。

3月15日 好天に恵まれ、集合場所の駅前広場は大勢の参加者であふれるほどだった。蓮田は多くのコガモで賑わっており、冬の間私たちの視線を集めたタシギには会えなかった。年末にはまた帰ってきてくれることだろう。陽気のせいもあってか、ツグミやシロハラたちが地上で採餌する姿を各所で見かけた。大池の畔のアオサギのコロニーでは、既に数番が営巣している様子だ。あんなに沢山いたユリカモメがいなくなり、カモたちはゆったりと水面を漂っている。シジュウカラの囀りが聞こえてくるのも、もうすぐだ。

2月16日

ポカポカと暖かい好天の下、駅前を出発した。いつもの田圃では2羽のケリが心地良さそうに陽射しを受けていた。隣の蓮田はコガモで賑わっており、タシギやバンもゆったりと採餌していた。先月に比べると大池のカモやユリカモメたちはめっきり少なくなっており、渡りに備えて移動が始まっているのだろうか?例年アオサギがコロニーを作る場所では、既に数組が古巣に入っていた。一週間前には大阪市内でも記録的な積雪があり、今週も寒い日が続いていた。昼前からは予報どうり小雪が舞う空模様となったが、春の予感に触れた一日だった。

1月19日

ぐっと冷え込んだ一週間、今日も寒さが厳しい。蓮田は見通しが良くなり、お目当てのタシギは3羽が寒そうにくっついていたり、ひたすら餌をついばんでいる姿などをじっくりと観察することができた。昨秋以来少なかったツグミは、枝に止まったり地面に降りたりしている姿を見かけるようになってきた。カワラヒワの群れも大きくなって、実りの悪いアキニレの実を競うようについばんでいた。寒さはこれからだ。しっかり食べよ。春までガンバレ。