鶴見緑地定例探鳥会の報告:平成19年度(2007)上半期分
6月16日
田植えが終わった田圃からケリが顔だけを覗かせ、蓮田はすっかり蓮の葉で覆われて、その上をカワセミが飛び、葉陰を泳ぐバンが見え隠れしていた。電線に止まったツバメの子は、私たちが下を通っても飛び去らず、親鳥の餌を待っていたのかも知れない。巣立ちをしたばかりのアオサギたちは、緑地内の水辺に分散して餌を採る練習でもしているのだろうか。私たちの傍らを過ぎて行ったシジュウカラの幼鳥たちは、まだ淡く黄色いお腹にネクタイも霞んでいたが、鳴き声はそれなりにシジュウカラだった。暑さに負けずに育ってほしい。
5月19日
水が張られた田圃の畦をセグロセキレイの幼鳥が歩いており、時々親鳥がやって来ては餌を与える姿が観られた。そして隣の蓮田はバンの親子や営巣中のペアで賑わっていた。緑地の大池はカモ達が去り、オオヨシキリだけが賑やかに囀っていた。夏鳥たちの移動も落ち着いたかと思っていたが、キビタキの美しい囀りを聞くことができ、豊かな気持ちにさせてもらった。午後から幾度か通り雨があり、雨宿りをしながらの鳥合わせとなった。
4月21日
今年もいつものポプラの木でハシボソガラスが営巣を始めた様子だ。しかし例年に比べると一ヶ月遅い。田圃には耕運機が入ってケリは落着き無く歩き回っている。蓮田のコガモは美しさを増し、忙しく鳴き声を響かせている。タシギは採餌に夢中だ。公園内は渡りの夏鳥たちでとても賑やかだった。探鳥会では久々にコルリやコムクドリにも出会った。そして春の渡りには珍しく、コサメビタキも観察した。大池の畔では生まれたばかりのバンの雛が5羽、親鳥に餌をもらっていた。アオサギのコロニーでは親鳥と同じぐらい大きく成長した雛もいた。今年も命の季節がやってきた。
3月17日
好天に恵まれ、地下鉄駅前の空地ではケリやツグミが採餌に忙しい。蓮田ではあちらこちらから、コガモの声が聞こえてくる。今日は珍しく、トビが緑地の上空を舞った。メタセコイアの並木で出会った、マヒワの群れは羽色の艶がとても美しかった。大池で冬を越したコハクチョウは3月初旬に旅立って行ったという。池畔に居たアオサギの鮮やかな婚姻色には目を奪われた。今日はツバメに会えなかったが、もうすぐやって来ることだろう。
2月17日
雨の予報に、空模様を気にしながらいざ出発。草地のあちこちにツグミが降りて何やらついばんでいる。傍らではアカハラが見え隠れしていた。蓮田はすっかり見通しが良くなり、隠れているつもりのタシギも丸見えだった。そして遠くに白いカモが…。大きさからしてコガモのようだが、特定はできなかった。緑地内ではイカルが気持ちよさそうにさえずっており、カワウは婚姻色が鮮やかだった。気がかりだった雨は昼過ぎから降り始めたが、ものともせずに大池の正面へ。あきらめかけた頃、メジロガモが葦の茂みから飛び出し、全員でしっかり確認した。
1月20日
駅前にある空地の木にツグミが鈴生りだった。歩きながらも上空を小さな群れが飛び交うのが観られた。蓮田は見通しが良くなり、タシギも見つけやすかった。立ち枯れの蓮の茎の先にはカワセミが止まっていた。公園内では枝先に止まったアオジは既に美しく、大池の畔にある松林では早くもアオサギたちの鳴き交わしが始まり、今年もコロニーが作られる兆しだ。コガモやオナガガモのディスプレイも盛んになってきた。紅梅が一輪、二輪と咲き始めた。