鶴見緑地定例探鳥会の報告:平成18年度(2006)

12月16日

ようやく冬の寒さになって来た気がする。そのせいか先月は10羽程度しか居なかったユリカモメが驚くほど大きな群れになっている。蓮田のタシギはだいぶ見やすくなってきた。コハクチョウの幼鳥がやって来て1ヶ月になる。当初は嘴の大部分がピンク色をしていたのに、かなり黒くなってきた。すっかり大池に腰を落ち着けている様子だ。山のエリアではアメリカフウの木にマヒワが群らがって、実を一心についばんでいた。何年ぶりの飛来だろうか。今年も鳥たちに多くの感動を覚えつつ探鳥会を締めくくることができた。

11月18日

今日は晴天のはずなのになかなか陽が射して来ない。曇天をバックに電線に止まったツグミの姿がいかにも冬の景色だ。ジョウビタキは橙色が鮮やかだ。イカルは木の上でなにやらついばんでいる。シロハラが林の中で騒いでいたが、私たちの前を飛び交うばかりだ。キビタキのメスがまだ居残っていたのには驚いた。もっと驚いたのは大池にコハクチョウの幼鳥が1羽悠々と泳いでいたことだ。いつまで居てくれるのかなぁ。春には無事に渡って行くかなぁ。

10月21日

朝夕すっかり秋の気配だ。稲刈りが終わった水田にはスズメたちも集まってきた。空き地のフェンスでノビタキが行ったり来たりと忙しい。公園内はキビタキやメボソムシクイで賑わっていたが、ジョウビタキにも出会うことができた。大池のヒドリガモの群れはまだまだ大きくなりそうだ。今回もハヤブサがドバトの群れを追いかけて大池の上空を飛び回っていた。青空がとても心地良かった。

9月16日

雨の予報に空模様を気にしながら、小雨の中を出発した。蓮田は背丈程もある葉が一面に茂り、花が一輪あざやかに咲いていた。大池では思いがけずオシドリが1羽やってきた。しばらくして飛び去ってしまったしまったが、当地では久しぶりの出会いだった。林の中は南へ渡るヒタキやムシクイたちで賑わっており、特にコサメビタキの愛らしい姿は印象的だった。昼食の後、大池の西側を歩いた。よく見ると葦の茂みに隠れるようにコガモが2羽浮かんでいた。秋の足音が一歩近づいたようだ。

8月19日

くもりがちの空模様が夏の陽射しをさえぎってくれ、覚悟していた暑さはなんとか避けることができた。カルガモの子供たちは、すっかり大きくなったけれど、まだ母ガモにくっついて泳いでいた。シジュウカラやヒヨドリの幼鳥たちも林のあちらこちらで、幼い声を響かせていた。そして夏鳥のムシクイたちは早くも渡りの旅を始めた様子だ。驚いたのは、この時期にチョウゲンボウがやってきて、クマゼミに続いてアブラゼミをおいしそうに食べていた。どっちがおいしいのかなー。

7月15日

抜けるような青空で、朝から陽射しが痛い程だ。駅前のプールでは開門を待つグループが列を作っていた。今日は恒例の清掃探鳥会で、この暑さにもかかわらず12名もの参加をいただいていざ出発。木陰を選んで歩きながら、そして随所で休憩をしながら作業をした。途中、シジュウカラの幼鳥が数羽私たちを警戒することもなく木々の間を戯れており、しばし作業の手を止めて幼いさえずりに聞き入った。公園の中は比較的管理が行き届いているので、ゴミの量は余り多くはない。例年に比べると花火の燃えカスは少なかったけれど、飲み物のボトルや紙パックなどが多かったようだ。

6月17日

蓮田では葉が水面を覆ってしまっていた。天候のせいかツバメは低空飛行でスピード感が伝わってくる。シジュウカラの幼鳥は親鳥に餌をしきりにねだっていた。ムクドリはヒナたちが一斉に巣立ちを迎え、園内は大変な賑わいようだ。施設の前庭になっている小さな池で、今年もカルガモの親子が元気な姿を見せてくれている。命の季節はしばらく続きそうだ。

月20日

雨の予報はどこえやら、快晴の駅前を出発した。と、その直後から降り始めた雨は次第に本降りとなってきた。雨宿りをしながら見下ろした蓮田では、3羽のヒナを連れたバンの親子が餌をついばんでいた。そして緑地内の大池ではコロニーから巣立ったアオサギが水辺のあちこちにたたずんでおり、林の中ではお腹が黄色いシジュウカラのヒナが親鳥を追って飛び回っていた。一時、激しく降った雨も昼前にはあがり、はるか遠くにホトトギスの声を聞きながらの鳥合わせとなった。

4月15日

朝から雨がポツリポツリ。中止にしようかな・・・と、集合場所に着けば小雨が降ったりやんだり。リーダーを含めて8名、意を決していざ出発。蓮田にはコガモが集まり旅立ちに備えていた。そしてコチドリもやって来た。緑地の中は散り始めたソメイヨシノに加えて八重桜、しだれ桜に彩られ、風車の丘は満開のチューリップで覆われていた。一方、アオジは鮮やかに黄色くなった腹部が印象的で、ツバメは低く飛び交っていた。雨の様子は相変わらずだったので、私たちの前を横切って飛んでいった、オオルリとクロツグミが気がかりなまま午前中で解散とした。

3月18日

先月と同じように集合場所の地下鉄駅前で、ジョウビタキが私たちを迎えてくれた。蓮田では立ち枯れの茎の多くが倒れて見通しが良くなり、タシギも見つけやすくなった。ハシボソガラスは3箇所で抱卵にはいった様子だ。池のカモたちも旅立ちのときを迎えて、少し寂しくなってきた。肌寒かったせいかウグイスのさえずりはおあずけとなり、心配していた雨が昼前から降り始めたので、解散とした。

2月18日

しばらく暖かな日が続いていたが、今朝は氷が張る程の冷え込みだった。集合場所の地下鉄駅前では、ジョウビタキが私たちの前を右へ左へと飛び交いながら、愛想を振りまいてくれた。ハシボソガラスやアオサギは早くも営巣準備にいそがしいようすだ。大池のオナガガモはしきりにディスプレイを繰り返していた。春の足音が聞こえてきそうな一日だった。

1月21日

降雪の予報は大はずれで、陽射しの穏やかな朝をむかえた。地下鉄の駅に近い空き地へケリたちが飛来して、いつもより近くで観察することができた。カワラヒワの群れの中には全身レモンイエローの(白化?)カワラヒワが。コゲラやシジュウカラの小群も林の中を元気に飛び回っていた。オオタカが飛び、いつものハヤブサにも会えた。年の初めの探鳥会はすてきな一日だった。