一般探鳥会の報告:平成19年度(2007)下半期
金剛山
- 参加者41名で10時15分過ぎに出発。出発して直ぐに幸先が良かったのか、悪かったのか上空にオオタカが白い腹部を見せ尾羽を閉じて滑翔しながら上空を横切る。
四季の谷を上り展望台へ向かうが、先程のタカのためか、我々の人数に驚いたのか鳥の声が殆どしない。 - 途中野草観察デッキ付近では、樹の上にコガラ・ヤマガラ・コゲラ等や地上のホオジロ・カシラダカやビンズイを観察。
- 展望台の下では2m程の距離でも逃げない人慣れしたハシブトガラスに驚かされる。
- 展望台に上ると周辺の綺麗な紅葉が良く見える。異常気象か例年より時期が遅いようだ。
龍田川・法隆寺
- 集合後、すぐに大和川の堤防に出て水辺の鳥をじっくりと観察。カモやサギの仲間、カイツブリやバン、イカルチドリやイソシギを楽しんだほか、カワセミが追いかけ合いをしているところも目撃できた。
- 日本一汚れた川という悪名から徐々に脱し、生物層がかなり豊かになってきている様子。
- 龍田川の一部両岸は、竜田公園として整備。まだ本格的な紅葉には早いものの、ちょうど「もみじ祭り」の開催中で大賑わい。龍田の古い街並みを抜け、法隆寺に向かう途中、あちこちでモズの高鳴きを聴いた。
- 法隆寺参道の松並木では、全員でニュウナイスズメをさがしたものの、出現せず。
- 鳥合せ終了後、半数が徒歩で法隆寺駅に向かったところ、幸いにも参道の松並木でニュウナイスズメの群れに遭遇。
- オスとメスの違いも識別できたほか、最後にはオオタカの飛翔も観察。徒歩組みにはまたとないプレゼントであった。
奈良公園
- 朝からお天気を心配していましたが、鳥合わせまではなんとかもちました。
- 今回はトラツグミがあちこちで、ルリビタキは♂の青色も観られまずまずでした。
- アオバトは解散後、駅までの道で♂♀がやっと出現でラッキーでした。期待のレンジャクが観られず残念が少し残りましたが、今年も奈良を皆で楽しみました。
万博公園BWW
- 快晴の行楽日和で、園内に人出は多かったが、エナガ・シジュウカラ・コゲラ・メジロなどの留鳥、メジロと一緒にいた秋の渡りのメボソムシクイ、万博としては過去最高の10羽もカウントした冬鳥のジョウビタキなど、鳥も良く出てくれた。
大阪城公園BBW
- 参加者が少なくさびしかったが、秋晴れの気持ちのよい天候のもとゆったりと歩くことが出来ました。
- 今回は10月末の定例探鳥会で出現したシマアジを極楽橋のやや西よりでじくっり観察できました。
久米田池
- 久米田池到着直後、カワセミが出迎えてくれた。秋の風物詩でもある養殖魚をとらえる仕事も見ながら、チュウサギの識別を中心に1周をめぐる。
- 今回は水位が低下したばかりで泥がついて、黒い脚になったオジロトウネンやくちばしの色が見えないカモ類など、識別のヒントが隠される個体もいて、さながらクイズのようであった。
新旭水鳥観察C
- のどかな秋の1日、琵琶湖を訪れたカモの仲間のオス・メス・エクリプス・換羽中の個体などのさまざまな姿をじっくりと観察、見分けることに挑戦した。
- 水鳥観察センターの前では、カンムリカイツブリ親子の姿を確認したほか、湖面に浮かぶ多数のオオバンに感激。
- 針江浜に向かう途中、湖岸の疎林を飛ぶ数百羽のアトリの群れに遭遇、一同大感激。
- 意外にも広い湖面に浮かぶオシドリの群れを目撃、ジョウビタキの声を聞いたほか、耕運機の後を追うトビ、農耕地のノビタキ等、見所の多い探鳥会であった。
河内長野・石川
- リーダー集会の探鳥会、雨の降りしきる中16名が参加し、スタート。
- 開始早々、雨宿りをするセグロセキレイやキセキレイを発見。途中、石川の両岸を行き来するコサメビタキを確認。
- 川原の岩の上には、セキレイ類のほか、クサシギ・イソシギ。カワセミも登場。
- 工場のスレート屋根の上にはイカルチドリ、屋根の下では雨宿りするイソヒヨドリのメス。
- 時折激しく降る雨にもめげず、30種を確認。
甲山森林公園
- タカ渡りにはあいにくの曇日、公園内を小鳥を探して回ってみたが殆ど声が聞こえず甲山自然学習館をしばし見学。
- その後キャンプ場を通り抜けなかよし池に向かうが、下見の時に観られたコシアカツバメの乱舞が観られず展望台へ。
- オオタカが近くに現れ皆が注目の中、羽をすぼめて一直線に急降して眼下の茂みの向こうに見えなくなった時感動の声が上がりました。
飛鳥/石舞台・祝戸
- 真夏を思わせる残暑の中、森に囲まれた飛鳥「石舞台」を出発。
- 早速、イカルやキセキレイの涼やかな鳴き声を聞きながら、棚田の開けた「祝戸」へ。途中、いたるところでモズの高鳴きを聞き、オスとメスそして幼鳥と成鳥を区別することができた。
- 祝戸の芝生広場では、エゴノキの実にヤマガラが何度も何度も飛来し、カメラ持参の参加者は、シャッターの切れ間がないほど撮影に没頭。残念ながら、期待していたコサメビタキの姿を見ることはできなかった。
- 昼食後、ちょうど開催されていた「彼岸花まつり」の「案山子ロード」に沿って赤・白・ピンクそして黄色のヒガンバナを楽しみ、朝風峠から高松塚へ。
- 途中、ツバメ・イワツバメとコシアカツバメの飛翔を楽しみ、ススキ・ナンバンギセルやヌスビトハギなど、秋の気配がかすかに感じられる歴史の地「飛鳥」をあとにした。
鳴く虫のコーラスを聴く夕べ
- 9月8日(土)、淀川の河原で鳴く虫のコーラスを楽しみました。
- 日が沈み辺りが薄暗くなると、虫たちが鳴きだします。「コロコロ・・・・リー」と鳴くエンマコウロギや「ルー ルー ルー」と鳴くヒロバネカンタンなどをバックコーラスに「チンチロリン チンチロリン」と鳴くマツムシの鳴き声が河原一面に響きわたります。
- この3種の鳴き声に圧倒されてか、他の虫たちの鳴き声は殆ど聞きとることはできません。
- しかし、網を振ってみると、ササキリなどキリギリス類が沢山入っていましたが、キリギリス類の鳴き声は周波数が高く聞き取り難いのが原因です。(キリギリス類の周波数は10khz以上の種類が多く、人間の場合20才以下の若い人の可聴限界は16khz位で、それは年齢とともに低下し、50才台では10khzの音が聞こえない人が増えていると言われています。)昼間では味わうことのない、心地よい川風を頬に受けながら、夜の淀川の幻想的な光景の中、虫たちのコーラスを堪能した一時を過ごしました。
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●声、姿を確認した虫
1.エンマコオロギ 2.マツムシ 3.カネタタキ 4.ヒロバネカンタン 5.ホシササキリ
● 声だけ聞いた虫
6.シバスズ 7.ハラオカメコオロギ 8.クマコオロギ
● 姿のみ見た虫
9.ツユムシ 10.コバネササキリ 11.クサキリ 12.クビキリギス
- 報告:中野 勝弥
比叡山
- 気温が高くなることが予想されたため、ケーブルを利用して途中まで登ることに変更して出発。
- 歩き出してすぐの道路脇の田んぼで採餌しているチュウサギをじっくりと観察。途中上空を飛ぶミサゴ・トビを確認。ケーブルの「もたて山」駅で下車すると、ヒガラたちの鳴き声と涼しい風の出迎えを受けた。
- アオゲラの声やドラミングの音、イカルの声などを聴きながら、延暦寺へ。眼下には、親子連れのニホンジカの姿があった。
- ナナフシやヒグラシも観察し、鳥合せ後解散。京都側へ徒歩下山4名を見送ったあと、ケーブル延暦寺駅へ。
- 坂本まで徒歩で下山した6名のグループは、途中ミソサザイ・エナガ・セグロセキレイを確認。根本中堂近くで、まるで虫が鳴いているかのように聞こえたソウシチョウを含め26種、22名。